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学校選択というコト[05]

学校選択というコト[04]のつづきです。。(1)の「 自己実現プログラムの自覚的実行力」について、鴎友学園女子のケースを考えてみましょう。

★同学園は、ミッションスクールであるにもかかわらず、[図COS]にある学校当局の「自己参照基準」のテキスト批判思考が徹底しています。聖書の文言をそのままそらんじるような使い方をしません。独りよがりにならないように、聖書を権威や権力の手に渡さないように、教育理念の批判的ヘルメノイティーク(解釈)を学内でやっています。ここには議論の場があるということです。なるほど内村鑑三に薫陶を受けた方々が創ってきた学校です。

★また、「言語」「園芸」「聖書」は教育活動の3つのドメインですね。それぞれ「知性」「感性」「理性」に対応します。この三つをさらに違う言葉で置き換えると「誠実」「慈愛」「創造」です。これは鴎友学園女子の校訓でもあるんですね。

★この校訓は生徒にとっては「自己参照基準」になりますが、生徒たちは、授業、論文、芸術活動、部活などの実践の中で、これらが他者からただ押しつけられただけではなく、自己と他者の共有すべきゴールデンルールであることにやがて気づきます。

★思春期時代に、学園に対する抵抗も感じるときがあるものですが、その幅が大きいほど、大きな成長を果たすと、先生方は見守ります。この抵抗と成長こそ「自問自答」の回路です。そして学園内のコミュニケーションのオープン・システム(リアルだけではなくウェブの世界も構築しています)があるために、その自問自答が他者との対話につながったとき、ブレイクするわけです。能の奥義「序破急」がここにはあります。宗教や文化が違っても、真理は真理。キリスト教の戦略ですね。

★「DB」に関しては、言うまでもなく完璧です。破格の大学進学実績を考慮すればそれは推察できるでしょう。しかし、大事なのはその引き出し方。脳科学の成果も取り入れて、どのように整理し、その後にそれをどのように引き出し、再構築するのかまで、緻密にプランしています。まだまだ仮説の段階だと謙遜されますが。「外界」の刺激は「園芸」という体験から十分に受けられるでしょう。「園芸」とは自然の恵みをもぎ取ることではないのです。科学と産業と組織が自然と結びつくという自然と社会の統合生態系を考えるヒントになるのですね。したがって、多くの生徒たちは[図CTL]におけるレベル5に到達するのです。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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