私立学校の理念のタイプ[3]
★私立学校の理念のタイプ[2]のつづきです。やはり、内面と外面という対立軸は、なかなかなくならない。むしろ明快に可視化されているし、事件として現実のものになっています。たとえば、2007年のサブプライム問題による市場の大混乱。19世紀末にも、2002年にも大きな混乱があったが、これまでの市場の混乱は、製造業などの実体経済を支える企業の資金繰りが難しくなって、株価暴落に結びついたのでしょうが、この夏は金融市場の資金調達困難によるものでしょう。
★日本は信用市場参入にはいろいろな障壁があるのでしょう。だから先進諸国と比べると相対的にそれほど参加していなかった。でもEUや特にイギリスでは大騒ぎになっている。日本にいるとどこか遠い国の話です。しかしそれはすぐ隣の信用市場、つまり今やこれはコンピュータやインターネットの世界の話です。デジタルワールドの話。日本では、実体経済にはそれほど影響がなかったということは、喜ばしいことであり、同時に2つの明確な世界の片方でしか優位性を持っていないのが日本という国ということになります。
★日本がグローバルスタンダードにおいつけていないというのは、実体経済での話ではなく、デジタルワールドでの話ということです。こうなってくると公立学校では、ますますついていけない。こんな世界は排除してきたからです。というのもこのデジタルワールドとリアルワールドの両方について巧みなバーチャルな市民世界を創っているのは、アニメの世界です。ポケモンはまさにそうだし、デジモンはもっとそれを先鋭化しているかもしれません。
★欧米でピカチューが流行っているのも、たんにカワイイ~だけではないのですね。デジタルワールドとリアルワールドをいったりきたりできるスーパーキャラクターだからでしょう。
★私立学校だって必ずしも積極的にデジタルワールドを認めているわけではありませんが、理念の内面化は、実はデジタルワールド的な発想に近いのです。似て非なるものではあるけれど・・・。
★公立学校はなんとかフロイトモデルを復権したい。超自我の育成をしたい。でもこれはデジタルワールド的発想がないとできない。デジタルワールドは不可視のものを可視化するし言語化します。デジタルワールドのレイアーをかけずに、リアルワールドだけで、超自我を育成しようとすると、ものすごい抑圧感がただよいます。生徒たちはみな怖れてしまいます。
★しかし、どちらも実際には「脳と神経の開放反応システム」によって、両世界が生まれています。だからそれは脳の働きが最適化されるように分けられているだけで、本来は分けて考える必要はないのではないかと思います。
★まっ、そのような到達点にはまだまだほど遠いので、あまり先回りせずに、ウダウダと考えていきたいと思います。[本間 勇人 Gate of Honma Note ]
| 固定リンク
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 村田沙耶香さんのNHKインタビュー 母校二松學舍柏で(2017.02.11)
- 「斉藤桂太」麻布のもう一つの知(2015.11.28)
- 2012年Nコン 豊島岡女子 中高両方の部で金賞 関東甲信越ブロックで(2012.10.01)
- 「柴崎俊子祝賀会」 in 中村新館Lady もう一つの私学の系譜(2012.07.24)
- 勇気 「子どものための少年詩集2011」から(2011.11.24)
最近のコメント