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時代のキーワード「下流」を考えよう[01]

義務教育を問いなおすを問いなおす[01]キャラ化するニッポンを読解する[01]と書いていくつもりですが、同時に時代のキーワード「下流」ということについても思い巡らしてみようと思っています。

★階層意識というのは、従来は経済力でとらえることができたけれども、どうも今の日本はそうではないのではというのが三浦展さんの着想なのでしょうが、個性や自由がだらだら楽しいだけの人生を若者に作り出し、ニートやフリーターをつくっていくというのが、何かしっくりこないですね。

★ここにはキャラクターとキャラの関係ピースを挿入しないとうまく解けないような気がします。キャラとしては個性や自由を表現しているけれど、キャラクターとしては平均化している。これを「下流」と呼ぶのなら、そうかなという気もします。

★渋谷の街頭インタビューで、今回の亀田大毅さんの処分について聞いているテレビ番組がありましたが、女子高生が「キャラは強いけれど、キャラクターはもろかったよね~」と答えているぐらいですから、この二重構造は相当浸透しているのでしょう。

★そして二重構造なのだから、その関係は多様です。たとえば、キャラとしてもキャラクターとしても個性が強く、自由を求めてやまないヒトもいるわけで、それでもニートやフリーターの状況になっているヒトもいる。本田由紀さんなんかは、そこを強調されるわけですね。

★三浦さんは、「キャラ化するニッポン」の著書相原さんと対談していて、私立学校や中学受験を、経済力的には中流だからこそ、自分たちが下流意識を持たないように、あるいは上流意識を持って欲しいと選ぶ家族が多いと語っています。

★ところが、行った先の私立学校は、個性と自由をたいせつにする拠点ですね。どうやら個性と自由ということばの意識にも上流とか下流とかの違いが生まれているということなのでしょうか。

★要するに、経済力が「上・中・下」と意識が「上・中・下」というのは、対応しなくなったということでしょう。そしてさらに、意識はキャラクターとキャラの二重構造になっているわけです。単純に考えても階層意識は、3×3×2で、18のグループに分かれるんですけど、すでに二次元の図にはできませんね。

★ところが義務教育は、経済力の「上・中・下」のうち「中」になることだけを強いてきます。ところが、経済力「中」でも、少なくとも6つのグループがあるわけです。しかも現実は格差社会ですから、経済的には苦しんでいるグループが存在している。そこに経済力上の「中」になるために「学力」をあげなさいということになるものだから、鬱屈感が高まるということになります。

★官僚の基本統計には、経済力指標以外の統計はほとんどないわけですから、これはしかたがありません。ですから相原さんや三浦さんのような文化を調査するシンクタンクを設立している方々のレポートを読み解くことは重要ですね。

★ただし、読み解くときに、東浩紀さんや北田暁大さんのような現代思想の切り口は最小限活用した方がよいでしょう。岡部憲治さんのように世界標準を超える切り口でもいいですね。

★もちろん、活用はするけれど、そこをいつも「自己参照基準」とぶつけながら、ダイアローグ手法(弁証法的手法)で、読み解くチャレンジだけは忘れないようにということですね。切り口がすでにキャラ化していたら、パラドックスやショートの罠からぬけられないでしょうから。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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