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名門校の条件[04]~新設中学が名門校になる可能性

名門校の条件[03]~海城の新しい人材育成(了)のつづきです。名門校というと、すぐに創設以来100年以上の歴史があるというイメージが浮かびます。すでに紹介した海城学園、これから紹介する共立女子や女子学院は、たしかに100年以上の歴史がありますね。しかし、 「Netty Landかわら版10月号」ですでにご紹介した桐光学園は、来年30周年を迎える新しい学校です。

★30年~50年前後で名門校というイメージを持たれている学校は意外と多いですね。たとえば、駒場東邦や渋谷教育学園幕張なども戦後開設した私立学校です。どうやら名門校というイメージを世間に与える学校は、必ずしも歴史が長いという条件は必要ないようです。

★であれば歴史は名門校の条件ではないかというとそうでもないでしょう。100年という歴史を持っていても、伝統校ではあるが名門校というイメージを持たれていない学校もあるし、戦後できた学校で、伝統校ではないけれど名門校というイメージを持たれている学校もあるさてさてこの事態はどう解けばよいでしょう。

★おそらく物理的時間の長さの意味での歴史ではなく、超物質的歴史的意義の衝撃度という意味での歴史性がポイントなのだと思います。歴史ではなく歴史性。歴史はあるが歴史性のない学校は名門校ではないけれど、伝統校だと思います。逆に歴史はまだまだだが、歴史性はあるという学校は伝統校ではないが名門校になる可能性はあるということでしょうか。

★駒場東邦の歴史性は、御三家のような大きな物語を背負いながら自分の人生を考え、社会に貢献するという20世紀型産業社会に対峙するストレスを抱く必要のない新進路指導プログラムを開発できたというところにあるのではないでしょうか。価値哲学ではなく科学哲学を基礎(パラダイム)として学校全体の教育システムを組み立てていく、この部分は教育という分野では無視されがち。教育の基本はどうしても価値哲学ですから。それゆえ東大や医学部の実績だけがめだってきた。しかし、理数系のパワーが危ういといわれている時代だからこそ駒場東邦の歴史性はたしかにあるのですね。

★しかも、駒場東邦の理数系に対する概念は、新しいのです。20世紀型産業社会の理数系はどうしてもものづくり工学中心だったのですが、21世紀知識情報社会にあっては、理系-文系という二分法を乗り越える必要があります。単純に融合とか統合とか言うものではありません。すぐれた言語能力を持った理数系人の輩出を駒場東邦は果たしてきました。この点についてはいずれまた。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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