名門校の条件[08]~合理性と創造性を統合した桐光学園
★名門校の条件[07]~宝仙理数インターが名門校になる可能性ありのつづきです。桐光学園も来年30周年を迎える若い私立学校ですが、すでに名門校入りしたといえる学校です。以前Netty Land かわら版(2007年10月号)で書いた記事をご紹介します。
【来年30周年を迎える桐光学園。名門校の条件を形成するのに100年の歳月をかけなかった最速の戦略を探る。】
§1 名門校としての3条件
・・・まず自分が好きで本当にやりたいことを発見・自覚しなければなりません。これは人生の成功者であるための必要条件です。書くのはとても簡単ですが、必死に見つけようとしないと、死ぬまで見つかりません。これは東大に入ることよりもずっと難しく、達成されたら立派なことだと僕は思います。・・・ほとんど全ての「受験生」の目的は、センター試験や二次試験で、高得点をとることです。この目的達成のために、長期的な戦略を立ててください。戦略は目的が明確であるほど立てやすいものなので、まず目的を明確化し、次に合理的でフレキシブルな戦略を立てるとよいでしょう。この作業は独力で行う必要はありません。戦略の実践のために、最も合理的な手段を選択・産出してください。
★桐光学園の「平成十八年度大学合格体験記」に掲載されている東京大学理Ⅰに進学した石井俊行君の文章だが、この文章こそ桐光学園が名門校の条件を整えた証なのである。
★大学に合格するには、合理的知性が必要だが、それは選択できる環境であればよい。それがあると明かされているのだ。しかし何より大事なものは自分が好きで本当にやりたいことの発見という自律としての倫理だとも明かされている。またしかしその倫理は死ぬまで見つからないほどのもので、その発見と達成への知の欲求の動機付けが重要だとも。
★実は名門校の条件とは、欧米のリベラルアーツの体得と言い換えても良い。そのリベラルアーツの要素を簡単にまとめると、合理的知性、倫理的芸術的規範、知の欲求としての理性の3つ。石井君の文章にはこの3要素が全てある。そして桐光学園の30年間の歴史はこの3要素のパーフェクトな整備だったのである。
追記)「東大合格」という記号表現から一般的にイメージされるのは合理的な受験勉強ですね。石井君はたしかにこの点を語っていますが、「自分が好きで本当にやりたいことを発見・自覚しなければなりません」とも語っています。合理的な受験勉強は、桐光の教科学習の側面。ユニーク講習などの側面には、リベラルアーツ的な要素がしっかりあります。記号表現の内示(コノテーション)が「合理的受験勉強」で、記号内容の外字(デノテーション)が「ユニーク講習」、内示が「リベラルアーツ」などということになると思います。この記号の重層構造が歴史性を物語っているのです。[本間 勇人 Gate of Honma Note ]
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