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私立学校の理念のタイプ[10]~明大明治の松田先生との対話③

私立学校の理念のタイプ[9]~明大明治の松田先生との対話②のつづきです。前回まで見てきたことは、教育理念の記号関数のタイプです。

タイプⅠは教育理念=「記号表現{外示}×記号内容{外示}」

タイプⅡは教育理念=「記号表現{外示,内示}×記号内容{外示}」

タイプⅢは教育理念=「記号表現{外示,内示}×記号内容{外示,内示}」

★タイプⅠはポスト・モダン型理念、タイプⅡはオールドモダン型理念、タイプⅢはトランスモダン型理念と読み替えることもできるかもしれません。そうすると、明大明治はその歴史的経緯からいって、官や権力に対し抗ってきたわけですから、トランスモダン型であることは、納得がいきます。

★しかし、松田先生ご自身の理念の実現化過程は、このトランスモダン型をさらに突き抜けています。というのもそれぞれの理念を動かす原動力は、

タイプⅠ→Webシステム

タイプⅡ→神話的コンテンツ

タイプⅢ→論理的構造

★ですが、松田先生の原動力は、対話プログラムです。学級通信で表現されている生徒たちの教育理念や理想的人間像は、限られた時間で突然出てきたものではありません。松田先生が、生徒たち自らが考えたり、疑問を持ったり、調べたり、議論したりするように、対話プログラムを長年仕掛けてきた結果中3になって表れてきたのです。

★対話というものを思いつきでやってきたのではないのです。対話を偶然として漫然とやってきたのではなく、偶然としての必然を創出するプログラムを仕掛けてきたのです。しかし、それはたんなる必然としての操作ではありません。生徒との一期一会という偶然を大切にしてきた結果、必然的に生徒たちがみんな一定水準以上の思考のレベルに到達し、一定水準以上の気概と覚悟を有するように育ったのです。

*松田先生の対話プログラムのメソッドについては、「ジグゾー法によるグループワーク授業の実践報告」 「ジグソー法によるグループワーク授業の実践Ⅱ~七転八倒・行雲流水の居場所づくり~」をご覧ください。

★だから、松田先生の教育理念のタイプは、四番目のスタイルですね。タイプⅣです。その原動力は、対話創造的プログラムです。そして理念の名称としてはアドバンストモダンと呼びたいと思います。

★モダンのタイプは、Aモダン、Pモダン、Oモダン、Tモダンの4類型で考えていくことができそうです。APOTモダンセオリーを展開できるところまできました。松田先生!いつもながら感謝しています!。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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