教育の挑戦[01] 聖園女学院(1)
★聖園女学院でオープンスクール(2007年11月17日)がありました。800人はいる講堂は一杯で立見席ができるほどでした。聖歌隊によるハンドベルの演奏から始まったのですが、参加していた保護者はお嬢さんたちと「すご~い」とか「きれいな音だね」とささやき合っていました。曲目はバッハの「主よ人の望みの喜びよ」で、その澄んだハーモニーは、聖園女学院らしさが伝わっていました。
★そういう雰囲気に包まれた中で、清水ますみ校長先生が、心のこもったおもてなしの言葉をかけられ、教育理念について語り始めました。そしてすぐに講堂内には、実るほど頭を垂れる稲穂かなという尊敬の空気が流れました。参加者の高感度な感性のあらわれでもあります。
★ともかく、校長先生のお話のすぐ前のプログラムであるハンドベルの演奏を受けて、ここにも聖園女学院の教育目標と私たちの願いがあらわれているのですよと語られたのですから、保護者は感動したわけです。そこには、生徒一人ひとりの行いと言葉を見守っているという自然体の校長先生の姿があったからです。
★しかも校長先生のおっしゃる「コンダクターに音色を合わせるハーモニー」は、聖園女学院の先生方と生徒たちがいっしょに考え行動する日常の姿のメタファー(隠喩)です。「大小様々なベルがありますが、演奏をしているときに音を鳴らしていないベルは、何もしていないのではなく、自分の役割をまっとうしているのです。音色を響かせるときも響かせないときも演奏全体の中で互いに協力し合う役割を果たしているのです」という表現も、含蓄あるメタファーです。
★幾重もメタファーが重なっているのですが、わかりやすいし、通り一遍の表現ではないので、聖園女学院が何を大切にしているのか、参加された保護者はいつの間にか集中して耳を傾けることになるのです。
★清水校長先生自らが、まずは聖園女学院が考える21世紀のリーダー像を表現するところから始まったわけですが、驚くべきは、次に話された平野先生も、その後お会いした先生方も、清水校長先生の構えをまるでイコンのように表現されていたのです。アイデンティティを見えないままにしておくのではなくイコンとして分かち合っている秘密は、以前から思っていたのですが、学びの共同体(「主の言葉の学びの共同体」という表現が正しいのかもしれません)にあるのではないでしょうか。このことについて、しばらく思い巡らしたいと思います。 [本間 勇人 Gate of Honma Note ]
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