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教育の挑戦[04] 聖園女学院(4)

教育の挑戦[03] 聖園女学院(3)のつづきです。あらゆるチャンスで、教師も生徒も保護者もアイデンティティを共有しているなぁと実感できるのが、聖園女学院の大きな特徴です。たとえば、教室に立ち寄ってみましょう。

4024★黒板の横側にある掲示板に、日めくりカレンダー風の「ルール40」が掲げられています。これはどこの教室にも同じようにあります。なんだ、やっぱりカトリックの学校は風紀が厳しいではないかと思う人もいるかもしれません。

★しかし、まずは見てください。「テストはどんなに結果が悪くても、感謝の気持ちで受取ろう!!」とあります。はたして、これは厳しいルールでしょうか?普通なら、テストの結果が悪くても、落ち込まないように。今度がんばればよいのだからと自分に目がいくでしょう。ところが、聖園女学院は違いますね。「感謝の気持ちで」と他者を迎え入れる構えをイメージさせます。

★どういうことでしょう。カトリック学校では、あらゆるチャンスは神から与えられた計画です。それに感謝しましょうということかもしれません。テストの結果が悪いことよりも、そうなったプロセスや自分の弱みを気づくチャンスを与えられたのですから、感謝と寛容の精神が大切ですねということでしょうか。

★大事なことはテストの結果が悪かったら、どうなるという契約ではありません。結果がどうあれ感謝という信頼の気持ち、つまり契約ではなく約束が重要だというカトリック精神が、テストの結果という小さな出来事にも満ちあふれているということです。まさに野のすみれにも神の愛があるのとおなじですね。カトリック学校の中で、信頼や愛の循環を、あらゆる学校生活の中に浸透させているのが聖園女学院の特徴です。

★あるほかのカトリック学校に立ち寄ったとき、聖園女学院と同じキリスト教精神を共有しているはずの学校の先生の話し方がとても横柄だったのには閉口しました。精神が隅々まで浸透しているかどうかは、カトリック学校だからといって、同じではないのですね。

★たしかに教育法規上は、教職員は宗教的精神をもっていなくても構わないわけですから、横柄な態度の教員を、カトリック学校の教師として問題だと指摘することはできないのです。学校選択の時に、カトリックの学校だからという視点だけで選ぶと入学後イメージとズレがあると感じるときもありますね。やはり、学校説明会に参加し、自分の目と耳と足で確かめることは大切です。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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