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学びのリーダーシップ~仲間に贈る③

学びのリーダーシップ~仲間に贈る②のつづきです。私たちの仲間の一人である岡部憲治さんが、今回も教育ルネサンスで取材されていましたね。10月に取材された読売新聞 教育ルネサンス テストを生かす(7) 読解力磨く「情報の分類」の流れで取材されているのですが、要は創造的思考はいかにして鍛えられるのかということです。

★それは教育ルネサンスを読めばわかりますが、もっとわかりやすいのは、岡部さんのブログ「世界標準の読解力」をテキストとして「熟考と評価」してみることですね。

★私たちのプログラムの目標は、子どもたちが自ら、潜在的な創造的才能を見出して、その才能を創造的に活用する行動をとれるように支援するコトでした。

★そしてその支援は、価値観の違う人間どうしのチームプレイ、異質のものを関連付ける議論、自問自答を促進するトリガークエスチョン環境を創りだすことでしたね。

★岡部さんが取材で答えていることや自分のブログで語っていることは、まったく同じことです。通り一遍のドリルクエスチョンだけでは、スキルは強化されるけれど、創造的思考へジャンプできないのでしたね。

★意外性、わくわく感が生まれるトリガークエスチョン環境をつくると、ある瞬間にジャンプするわけです。意外性こそ好奇心の母であり、好奇心こそ閉ざされていた精神を開放する一撃であり、開放性は疑問を生み出す土壌でしたね。

★疑問が発せられれば、解決しようという動機が生まれます。疑問と解決?そうコミュニケーションです。コミュニケーションとはQ&Aの連鎖です。

★日常的なことがらについてQ&Aを続けながら、そこに非日常的なことがらを挿入する。まじめな話をしていたときに、ドラマやアニメやキャラ、音楽、哲学、建築、庭園、スポーツの話を挿入する。笑いが生まれたり、不真面目なという反応がおきたりさまざまですが、話をもとにもどすために、話題がそれてしまった流れを修復=問題解決しようとします。そのとき異質のものどうしが結びつきます。

★何気ないコミュニケーションが創造的コミュニケーションにジャンプする瞬間ですね。この原始的プロットタイプが「ぐるぐる」プログラムでした。あまりに原始的かつシンプルだったので、身体でツカミを感じなければならず、ずいぶん不評でした。みなタイミングがつかめないとブーブーでしたね(笑)。何せ異質のものをアドバイザーはトリガークエスチョンとして用意しないのですから。それもチームメンバーが自ら挿入するようになるまで待つというのですからわかりにくい。でも自ら挿入する刺激として、たった一つだけクエスチョンを投げかけたのを覚えていますか。「何か変わりましたか」という質問でした。そこからジャンプへのエネルギーが蓄積されるコミュニケーションの雰囲気になりましたね。

★創造的思考は創造的コミュニケーションから生まれます。創造的コミュニケーションは創造的思考から生まれます。そしてこの私たちの創造的才能を生み出すプログラムミームは、確実に多くの人のプログラムと融合して広まっていますね。岡部さんの取材はその典型例です。

★そうそう、ダニエル・ゴールマンの「SQ生きかたの知能指数」(日本経済新聞出版)とハワード・ガードナーの“Five Minds For The Future”(こちらはまだ邦訳されていないと思います)読みましたか。わたしたちのE-I関係プログラムがさらにジャンプするヒントが満載。ガードナーの8つの知(MI)を統合させるのが5つの精神。ガードナー自身プログラムの発展の痕跡。5つの中の1つが“The Synthesizing Mind”。8つの知はそれぞれ異質。それらを結びつける方法はかつては明瞭ではなかったけれど、それが5つの精神というわけです。ゴールマンがEQの次にSQ(社会的知性)を書いたのも、ガードナーと同じ流れ。さすがはハーバードの仲間たちです。

★やはり時代をつくるのは仲間たちですね。それぞれの持ち場で、生きる場をつくりながらも、時代をつくることはできます。それがミームでしたね。みんなの活躍を、新聞や雑誌、サイトなどで見られるのを心待ちにしています。[本間 勇人 Gate of Honma Note

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