白梅学園清修の戸塚先生は天才数学教師
★ここのところ全国学力テストの結果発表や12月に公表される予定のOECD/PISAの結果をどう読むか、そしてそれをどう生かすかというテーマで、マスコミの方々と企画編集のミーティングをする機会が増えました。
★私自身も「世界標準」というモノサシで、入試問題を分析したり、全国学力テストを分析したりしているし、実際に「世界標準」を意識した授業も企画しています。
★ただし、今のところ、<読解リテラシー>のモノサシをベースに国語や社会の分析に終始しているのですが、本来リテラシーなるものは、教科横断ができると思っていますから、なんとか数学とジョイントできないかと考えていました。
★そんなとき、いつも相談にのってくれるのが、白梅学園清修の天才数学教師戸塚先生です。OECD/PISAのモノサシ(数学リテラシー)について議論をしたあと、すぐにPISAの問題の分析をしてみましたが、戸塚先生は1つひとつの問題のレベルを「世界標準」に合わせて明快に説明してくれました。
★そして、レベル6(PISAの数学リテラシーで最高)に到達するにはどうしたらよいのか、学びの方法論についても興味深いアドバイスをいただきました。
★1996年の早稲田の政経の数学のある問題(世界標準のレベル6を越えていますが)などは、中2の生徒も、今学んでいる数学の力で解けるんですよという話などがそれでした。2001年の東大の文系数学入試問題4番もそうでした。あることに気づけば中2の生徒もジャンプできるんですね。
★それには、たとえば、今背理法や三平方の定理について学んでいるということですが、世界標準のレベル4ぐらいまでの段階までで、あまり難しい問題をやるのではなく、日常の生活に隠れている背理法や三平方の定理を発見する学びをセットし続ける創意工夫が大事だということです。
★映画「トリック」のある場面に隠れている背理法を教材にして、生徒たちといっしょに考える授業をしているのですから、なんとも魅力的。このような通り一遍ではない工夫された授業によって、あるとき生徒は、「わかった!」「なるほど!」とジャンプするというのです。これは茂木健一郎さんのいうアハ体験ですね。
★どこかで「世界標準」の数学リテラシーと読解リテラシーを連動させる授業をやりましょうという話になりました。そのときの授業の様子を思い浮かべると今からワクワクします。それにしても、放課後もアトリウムというオープンスペースで話をしていたので、まわりに生徒さんたちが集まり、戸塚先生が取り出した大学の入試問題をいっしょに解きだしたのには驚きました。戸塚先生が、図形に色を塗りだしたとたん、「あっ、わかった!」となったのもたいへんおもしろかったですね。[本間 勇人 Gate of Honma Note ]
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