次につながる大庭先生の授業
★ 「開成の生田先生の地理授業観」で、「生田先生のもとで学んだお弟子さんたちが、各学校で生田先生のアイディアを継承し、実践しています。」と書きましたが、大庭さかえ先生もその1人だと思います。
★生田先生や大庭先生とは、CALという私立学校の先生方が集まっている勉強会で出会いました。この勉強会は、2001年7月から活動が始まり、2006年まで継続的に続いていましたが、2007年はいったん休眠。しかし、来年の4月には新たな展開をしようとしています。
★勉強会の中心テーマは「The 授業」で、総合学習が始まる前に「総合学習を超える授業」をみんなで開発しようと、集まった先生方が、自分たちが生徒になったつもりで、ワークショップ型で進めてきました。2011年以降に本格実施される新学習指導要領が「探求型」の授業を模索するようですが、CALの先生方は、すでにそれを確立し、さらなる発展を目指しているのですね。
★そんな勉強会で大庭先生と出会うことができ、話をお聞きするチャンスもいただけました。大庭先生の授業観の根底には「寛容」という精神があります。というのも大庭先生の教員のキャリアは、大変豊かなのです。現在の全日制の私立学校の前には、通信制の生徒、全日制でも特別なコースの生徒などと接してこられたのですね。したがって、生徒を受け入れる姿勢が「寛容」である必要があったのだと思います。
★そしてこの「寛容」の精神が、「授業というのは、そこで学んで終わりではなくて、次につながる何かに生徒が気づく機会なんですね」という考え方を生み出しています。その方法論は、やはり生田先生流儀なのかもしれません。調べたり、情報をまとめたりするリテラシーを重視した授業だそうです。つまり問題追究型の姿勢を身につける授業だということでしょう。
★知識を学ぶと同時に、知識を探求するガイダンスになっているのが、大庭先生の授業の特徴というわけですね。方法論は違うけれども、こうした基本的な方向性に共感する先生方がCALには参加しているのです。日本の教育は全般的には心配ですが、改革の糸口はCALに集まっている先生方の活躍に認められます。文科省が日本の明日を支える先生方の存在に気付いてくれることを期待しています。[本間 勇人 Gate of Honma Note ]
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