« 成長し続ける学校力[05]~中村中(2) | トップページ | 成長し続ける学校力[07]~中村中(4) »

成長し続ける学校力[06]~中村中(3)

成長し続ける学校力[05]~中村中(2)のつづきです。未来を創る「The授業」の会議のブレイクの間に、新藤先生に夜の構内を案内していただきました。中村中は清澄庭園のすぐ近くにありますから、回遊式の廊下をあるいていると、夜のシジマが想像をかきたてて、庭園につつまれているようなイリュージョンがただよいます。

Photo ★廊下の随所には、椅子や机がおいてあり、昼間はぎゅうぎゅうになって座って歓談したり議論したりしているのだろうなと想像しながら散策していたところ、高3生がそこで勉強しているではないですか。20時までは学校に残って勉強してよいのだということでした。先生にいつでも質問できるし、夜の学校は静かで、また別の居心地のよさがあります。ぐるっと回って職員室の前に3 でると、彼女たちが先生に質問しているところに遭遇しました。

★それにしても大学入試過去問の赤本が廊下というオープンスペースにギャラリー風に設置されているのはなぜだろうとたずねようとしたら、新藤先生が察知して、こちらがたずねる前に、説明してくれました。高校3年生以外の学年、中学生も含めて、大学のことやどんな問題を出題するのか見たいと思う生徒がいるし、はやいうちからキャリア・デザイン・プログラムを用意しているので、関心を持っている生徒がすぐに閲覧できるようにということでした。

Photo_2

★最高のおもてなしの瞬間ですね。こちらの望みを先読みしてすっと適切な会話をする。最高級ホテル・リッツ・カールトンのサービスマニュアルでは、これを「エクストラマイル」と呼ぶそうですが、最高級のサービスは、茶の道のおもてなしに通じるものがあるのでしょう。

Photo_3 ★さて、中村中の教育空間は先生方が亭主のロールプレイをすることによって、庭園空間に変容するのですが、ロールプレイは先生方だけではありません。廊下にディスプレイされている芸術作品や生徒の作品、建築科に進んだOGの受賞作品群も一役買うわけです。

Og ★それゆえ中村中は地域の人やおやじの会に開かれていて、狭い意味での教育空間以上のもてなし空間=庭園空間として実際に親しまれてもいるのです。つまりリスペクトされているわけですね。

Photo_4 ★新藤先生をはじめ中村中の先生方は謙遜されるいや謙虚な方が多いので、私のような書き方は遠慮されがちなんですね。でも、この謙虚さは、実に中村中の伝統なんです。この本当に偉い人は奉仕する人だというイエス・キリストの言葉は、ミッションスクールではないのにもかかわらず、中村中の伝統的な構えなのです。あるいはプロテスタントでいえば、米国聖公会的な発想ですね。ただ、アメリカ西海岸がよく映画で揶揄するアメリカ東部のエスタブリッシュなマナーとはまたちがって、ほどよい謙虚さですが。

★いずれにしてもこのもてなしの心こそ欧米の名門校が育成する教養の1つです。国際的な最高級ホテルのサービスが常日頃準備しているのがこの教養あるサービスです。そしてサービスのステップは、すてきなサービス(=プラスアルファーのサービス)→賞賛されるサービス(=感動を生み出すサービス)→神話となったサービス(=口コミになったサービス)→伝説のサービス(=未完のサービス)という進化をたどるそうですが、中村中は神話となったサービスまで進化しています。*(  )内は筆者註。

★あとは伝説のステージに上るだけです。成長し続ける学校力は本当の意味でのサービス=奉仕=ボランティアの心を大事にしているところにもあるのですね。 [本間 勇人 Gate of Honma Note

|

« 成長し続ける学校力[05]~中村中(2) | トップページ | 成長し続ける学校力[07]~中村中(4) »

文化・芸術」カテゴリの記事