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2008年を首都圏私立中学受験から見る[03]

2008年を首都圏私立中学受験から見る[02]のつづきです。前回「併願校戦略において、リスク分散をする判断として、やはり日本の教育環境や金融経済環境が変わるか変わらないかがポイント」と述べました。もう少し男子選択校のリストを見てみましょう。200人以上250人未満ではどうでしょうか。

0712200☆このリストでもやはり、エクセレントスクールが70%です。30%はエリートスクールかトラディショナルスクールですね。どうやら男子選択校の受験生というか保護者の多くは、日本の教育は変わっても変わらなくてもどちらにも対応できるエクセレントスクールをまず第一志望とし、第二志望以降は、2014年までに日本の教育環境や社会環境には変化はないと判断しているようです。

☆当たり前といえば、当り前なのですが、変わらないと判断しているところは、どのように考えればよいのか、ここは見逃せない問題です。変わることが善でもないし、変わらないことが善ではないということでもないからです。ここにはどいう問題が横たわっているのでしょうか。

☆私自身は変わるのではないかと思っていますが、欧米化するわけではないと思っています。世界標準を乗り越える形で変わると考えています。欧米化するわけではないので、ある意味変わらないと見える可能性もあるわけです。この日本の教育環境や社会環境の変化をどうとらえるかが、2008年以降の課題です。

0712150 ☆ところで、150人以上から200人未満の男子選択校のリストを見てみましょう。するとエクセレントスクールは30%、狭い意味でのクオリティスクールは1校ですから、70%弱がエリートスクールかトラディショナルスクールです。日本の教育環境や社会環境は変わらないと判断していることがよくわかります。

☆ここですぐに男子校は投資型で女子校は消費型だとなるわけですが、ここは考え方を転換する必要があるかもしれません。この当たり前になった考え方に何か誤りPhoto があったとしたら、この通説が日本を閉塞状況にしている原因なのかもしれません。

☆というのも人材に関する考え方が、日本ではずいぶん変わってきているわけです。この変化がエリートスクールには見えないのですが、それは見えないだけなのかもしれません。というのは、この領域は、見えている部分は大学進学実績やパンフレットに表わされている結果です。なぜそういう結果が出たのか、そのプロセスを見える化しているわけではないのです。

☆このプロセスに変化があるとしたらどうでしょう。ここを見るにはどうしたらよいのでしょうか。「組織マネジメント」と「教師の頭脳・ハート」をサーベイするしかないでしょう。それには実は入試問題とシラバス(カリキュラムではなく)と授業の分析が必要だということでしょう。

☆ここを見ない限り、私立中高一貫校の本当のところは見えてこないということでしょう。2008年の私立中学の研究は、私のみならず、マスコミも、そこに焦点をあてていかざるを得ないということになるでしょう。

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