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PISA2006結果から[03] 科学的リテレラシー・レベル3の意味

PISA2006結果から[02]10歳の壁を乗り越えるためにのつづきです。前回読解リテラシーにおいて、国際ランキング・ベスト3の国と15位の日本の比較をしました。レベル1からレベル5、それぞれに占める生徒の比率を比べたのです。

★そこでわかったことは、レベル3からレベル4にシフトするところで、差がついたということです。レベル3は、さまざまな知識をつなぐ「補助線」をひく段階です。レベル4は論理的思考の段階です。これは9歳や10歳の壁と言われていることと一致するのではないかということになったわけです。

06pisa ★それでは、科学的リテラシーについてはどうでしょう。同じようにグラフにしてみました。読解リテラシーでは1位だった韓国が、科学的リテラシー総合では11位です。数学では4位です。これは気になるので、今回は、日本(6位)と韓国とベスト3国を比較しました。

★すると、やはりレベル3から4にシフトするところで、差がでてきます。韓国の場合如実ですが、6位の日本も同じことがいえます。

★習熟度レベル3とは、次のように定義されています。

状況に応じて、科学的な疑問を明確にすること。現象を説明するために事実や知識を選び、簡単なモデルや探究の方略を応用する。

(「生きるための知識と技能③」国立教育政策研究所編2007年12月10日)

★実際に問題「日焼け止め」と「温室効果」を考えてみて、レベル3の問いは、実験の課題の目的を確認する問題だったり、グラフを言葉で説明する問題だったりします。つまり、課題はすでに問題でだされていますから、別の言葉で「置き換える」という思考をするのです。グラフもなぞればよいだけですから、それを言葉で抽象的に「置き換える」という思考をするのです。

★読解リテラシーのレベル3と同様の段階ですね。具体的な知識どうしを「補助線」で結ぶ。つまり名付けという「置き換える」思考なのです。「置き換える」とはモデル化すると言い換えてもよいですね。

★レベル4に飛べない15歳の生徒が韓国では64.2%、日本では58.1%いるということです。彼らは9歳あるいは10歳の壁を乗り越えられていない学びの状況である可能性があるわけです。

★しかし、韓国の生徒は、読解リテラシーでは、レベル4にシフトしている割合は高いわけです。フィンランド、香港のように3つのリテラシーで高いというわけではないのは、総合的な学習スタイルを取り入れているかどうかの違いなのでしょうか。ここで結論を出すのは早計でしょうが。 本間 勇人 Gate of Honma Note 

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