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PISA雑感

★「フィンランドの理科教育 高度な学びと教員養成」鈴木誠著(明石書店 2007年10月17日)のページを開いて、執筆している面々を見ると、懐かしくなりました。執筆メンバーは私のことなど知る由もないでしょうが、同時期にフィンランドに訪問しているし、OECD東京センター主催のセミナーにも同席していた可能性もあります。たしか北海道から参加していた研究者が質問していましたが、あの方が鈴木さんだったような気がします。

★また鈴木さんや執筆メンバーの一人である読売新聞社の西村さんがフィンランドでインタビューされた菊川さんには、私や岡部さんもお世話になりました。もっとも私たちは、ストラスブールの仕事がメインだったので、フィンランドのリサーチは2日間というタイムリミットがあったのですが・・・。

★国際教育研究家岡部憲治さんが、「PISA 2006 結果から ③フィンランド訪問記」を書いていますが、同時に私もホンマノオトで、フィンランドシリーズ(1~5)を書いています。

フィンランドの教育の本音(1)~社会システム抜きでは語れない
フィンランドの教育の本音(2)~歴史が形成した国民の性格
フィンランドの教育の本音(3)~社会システムを維持することはできるのか
フィンランドの教育の本音(4)~読売新聞の報告の意味
フィンランドの教育の本音(5)~読売新聞の報告の意味[2]

★そもそもOECD/PISAに目が向いたのは、岡部さんのこんな発想からです。

岡部氏は私のブースの中に入って来て、こう提案した。「中学入試問題をグローバル・スタンダードで評価してみると興味深い結果がでる。おそらく中学入試問題の中には、PISAの評価基準が設定している中で最も高いレベルを凌駕する問題が数多く出題されているはずだ。創造的コミュニケーション力を持った教師がたくさんいると予想した学校の入試問題は、特にそうだろう。つまり、グローバル・スタンダードに照合してハイレベル(難度が高いということでは必ずしもない。あくまで視点や思考の次元)の問題が出題されている学校は、そういう問題をデザインできるクリエイティブな教師が存在するということだ。しかも入試問題の傾向というか、質はそう変わらないわけだから、そういう学校はクリエイティブな教師の層が厚いということになる。」(OECDのPISAを超える中学入試問題 §2~中学入試問題のグローバル化から)

★2004年12月7日に2003年実施のPISA報告が公開され、世の中がPISAショック、特にフィンランドショック(Fショックと私は呼んでいました。)に揺れていたのですが、方法論的にそんなことに動揺する必要はないのだということを証明しようと思っていたのだと思います。

★岡部さんと協働リサーチをしていて、いろいろ書きためていたとき、白日社の編集者鳴瀬さんと出会って、岡部さんは「世界標準の読解力 OECD・PISAメソッド学べ」の執筆活動の準備にはいりました。私も素材集めや編集の議論に加わったのですが、方向性やPISAの事実を報告するだけではなく、具体的な世界標準を超える読解リテラシー「オカベ式『かんがえ型』」を編み出した岡部さんのオリジナリティは賞賛に値します。ここが多くのフィンランドやOECD/PISA関連の本と大きく違うところですね。

★フィンランド訪問を決めることになった発想について、2004年以降ホンマノオトに書いたものが幾つかありますので、次に紹介します。

「衝撃!日本の『学力トップ』陥落」って本当?

OECDのPISAを超える中学入試問題 §1~まずPISAの問題はいかなる性質の問題か

OECDのPISAを超える中学入試問題 §2~中学入試問題のグローバル化

OECDのPISAを超える中学入試問題 §3~開成の問題はレベル6を超える

中山文科相の総合的な学習削減の発言の影響

OECDのPISAが分析する日本の教育処方箋

CCCはOECD/PISAにつながっている

★あいかわらず独断と偏見の記述が目立ちますが、考え方の方向性は、今とそんなにズレていないと思います。

Photo *写真の中の「創造的才能教育」麻生誠・岩永雅也編(玉川大学出版部1997年)は、私も執筆メンバーになっています。私のクリエイティブ・コミュニケーション論の端緒となった書です。 本間 勇人 Gate of Honma Note

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