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格差社会の解決の仕方

文科省は12月21日、「平成18年度子ども学習費調査」の結果を発表しました。その中に、世帯年収を6層に分けて、公立と私立の構成比を比較するデータがあります。それを見ると、たいへんな格差があることが一目瞭然です。

Photo ☆中学のものをグラフ化してみましたので、ご覧ください・・・。私立中に通っている子どもの世帯の50%強が、1000万円以上の年収なんですね。これは驚くべき格差です。

☆さて、この格差社会を象徴するようなデータを、文科省はなぜゆえに作成したのでしょうか。それはわかりませんが、とにかくなんとかしなくてはという不安をあおるためでしょう。

☆わかりやすくいえば、教育の平等をとりもどそうという戦略なのでしょうね。平等とは何か?文科省の考える平等は、配分です。今あるパイを平等に切り分けようという話です。日本国家のパイが小さくなっているのだから、まずは増やそう!とは考えないのですね。まずは目の前のパイをきちんと配分できるリーダーを育てようとするのです。

☆そうすると結局増税ですよね。累進課税をもっともっとということでしょう。だから、富裕層は、どんどん海外に逃げるか、海外に投資する。オフショアを使うという流れになります。

☆日本の経済成長率を4%から5%アップさせれば、増税なんかしなくてもよいのです。税制による規制より、経済成長率をアップさせる人材や産業の育成の平等が重要なのに、20世紀型のものづくり産業を優先させる教育の平等政策をとっているのが日本の官僚や政治家です。

☆労働生産性をあげている欧米、特にフィンランドは、第三次産業というか、それを乗り越えたクリエイティブ・クラスの人材が育っています。そのための平等がフィンランドにはあふれているわけです。

☆平等の質がまったく違うのです。それと格差社会の解決策を、貧困層を救うソフト志向で行っています。もっとも完璧ではないし、落とし穴もいっぱいあるでしょう。しかし、パイが小さくなるままの政策は大問題です。イノベーションに意欲を燃やす人材を輩出する法整備、教育システムの構築こそ重要なのに・・・。

☆格差社会の象徴として、私立学校の存在の足を引っ張るのではなく、私立学校にもっと期待をかける。これが現状の法整備と教育システムの中で最善の方策でしょう。特区のシステムなんて悠長なことをやるより、現状の十分力を発揮できるシステムをきちんと評価すべきですね。東大の教育社会学者の中には、私立学校に対するめちゃくちゃルサンチマンの塊の方が数人いて、結構発言力があるんですね。困ったものです。もっとも経産省や財務省は、文科省のように逆走しないでしょうが・・・。

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