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首都圏 中学受験 2008 [04]

☆本日10時30分、共立女子の帰国生入試の合格発表がありました。応募者は64人で合格者は38人。応募者は昨年対比91%で、少し減少しましたが、それにはワケがあると思います。

☆外部環境の変化としては、帰国生そのものの数と保護者の海外赴任先の多様性があると思います。海外の長期滞在の勤務が減ってきているだろうし、未婚者の海外勤務が中心になってきているのではないでしょうか。それに欧米勤務より、BRICsやアジア勤務が多くなってきていると思います。

☆共立女子の帰国生は、欧米滞在者ばかりではありません。共立に限りませんが、滞在先は様々です。

☆すると帰国生入試は英語がベースでは成り立たないわけですね。英語のできる生徒を募集する目的の学校もありますが、共立女子はそこに重点をおきません。もちろん、英語ができる生徒が多いのでしょうが、そのテクノロジーを重視するのではなく、多様な価値観や文化の体験を大事にしています。

☆ですから学力的に一般試験で入学してくる生徒と差が開きすぎても困るわけです。そのため、国語と算数の試験は、一般入試と全く変わらない傾向ですし、難度もそれほど差がありません。帰国生でも中学受験の準備を万全にしておかねばならないわけです。このような共立女子の入試の方針のために、帰国生にとって、ハードルは高いでしょう。

☆渡辺教頭先生によると、「国語と算数の準備を相当してくる生徒が年々増えていますよ。2科目入試だけなら一般試験でも合格するぐらいです。それに入学してから活躍する生徒も帰国生の中にはたくさんいます。ただし、在校生の間では、特に帰国生学級があるわけではないので、だれが帰国生なのか明らかになっているわけではないのです。すべての生徒が、1人ひとり違う体験を生かしながら学園生活を送るのだから、帰国生の体験だけ特別扱いする必要はないのですね」と。

☆この基本ビジョンに共感する帰国生が共立女子を受けるわけです。とはいっても、海外でのコミュニケーション体験は、いわゆる教科学習を超える大きな知的エネルギーになっているのも事実で、読書感想文連続1位をとるような生徒もいるそうです。

☆たしかに、共立女子の帰国生の入試科目に面接と作文があります。社会と理科がない分なのでしょうが、このいわば口頭試問と作文という名の完璧な小論文試験にパスしてくる生徒ですから、おもしろいタレントの持ち主ばかりであることも否めないでしょう。

☆帰国生入試の中身によっては、英語力だけではなく、豊かなタレントの持ち主の獲得戦略が講じられている可能性があります。一般生にとっては、そのようなタレントと遭遇できるチャンスのある学校を選ぶのも一つの考え方かもしれませんね。

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