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首都圏 中学受験 2008 [09]

☆東京エリアの私立中高一貫校の出願は1月20日から。その間にほかのエリアの動向や帰国生入試の動向を中間集計からみています。今回は前回の帰国生入試の総応募者数リストにはあらわれてこない聖学院の戦略が気になるので、少し考えてみましょう。

☆聖学院の1月中の帰国生入試の定員は15名ですから、この段階で受験生が10倍になるということはありません。そのため、今のところ前回のリストには載っていませんが、実は2月1日の英語選抜入試がすごいのです。条件は次のようになっています。

①英語選抜入試は英語検定3級以上が条件になります。
②一般>面接(条件:英語検定3級以上の取得者。出願時に合格証を提示)
③<帰国生>面接(条件:英語検定2級以上の取得者。出願時に合格証を提示)
 ※但し、準2級の取得者も受験できるが、英語の筆記試験を課す。

☆これだけのハードルですから、受験生が多いわけではありません。重要なことはこの英語選抜入試をうちだしたことで、他の一般入試の受験生に内発的影響を与えているということです。

☆具体的には、英検3級に満たないけれど、4級なら持っているとか、英検は受けていないが海外経験があり英語がかなり活用できるという受験生(80人ぐらいいるそうです)、そしてこれから英語を学びたいと意欲を燃やしている受験生(英語ははじめてでもそのサポート環境があるから安心です)が、入学後の英語の学びや海外文化の学びのチャンスに期待をかけているということです。参考までに、聖学院のサイトから、在校生たちのものの見方を引用してみましょう。

帰国生 中1 C君

小学生のころはロサンゼルスで過ごしたので、「大学はUCLAに行きたい」っていう想いが小さい頃からあります。まだどの学部がいいとか、どういう勉強をしたいとか、そこまでは決まってないですけど。

帰国生 中2 F君

僕は物理の勉強をしたいと思っています。論文はどれも英語で書かれていますし、最先端の研究をするならやっぱり海外へ行かないといけません。英語はそのために絶対必要になってくるものなので、今からしっかり勉強しています。

一般生 中2 H君

まだ「これをやりたいから英語をがんばる」という具体的なものはないのですが、英語って人生を通じて使えるツールじゃないですか。なので、せっかく英語をみっちりやれる中学に入ったのですから、きついですけどがんばろうと思っています。

☆聖学院の英語教育は、聖学院グループ全体で気運が高まり、かなりの成果をあげています。英会話とかいうレベルではなく、英語で議論し論文を書くというレベルまでめざしています。それは大学受験のためというより、聖学院全体(幼稚園・小学校・中高・大学・大学院)の雰囲気が、探究する精神で満ちているので、英語の文献をリサーチしたり外国の見識者と議論するチャンスが多いという環境が徐々に広がっているからです。

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