首都圏 中学受験 2008 [13]
☆今月20日から、東京エリアの中学入試の出願が始まりますが、その前に神奈川エリアの栄光と聖光一次試験は出願を締め切りました。両者とも昨年対比は減で、栄光は826人から763人(昨対比92%)に、聖光一次試験は812人から728人(昨対比90%)になりました。
☆これだけの出願数ですから、学校当局では、問題視していないでしょう。それに今年の両校の東大をはじめとする大学進学実績のすさまじさに、敬遠したのかもしれません。
☆しかし、2月2日の神奈川エリアの他の男子校に、その分回ったのかというと、今のところその動きはないですね。まだまだ締め切っていないし、20日以降の東京エリアの出願動向によって、変動するのかもしれませんが、どこも昨対比は100%を超えていません。
☆神奈川エリアの女子校も、フェリスや横浜共立A・B試験、横浜雙葉、湘南白百合、鎌倉女学院一次試験、清泉などは出願を締め切っています。横浜共立を除いて若干昨対比100%を切っていますが、男子に比べると、神奈川エリアの女子校はまだ勢いがあります。たとえば、横浜富士見丘の出願数の増え方はピーキーですね。神奈川学園も聖園も、全体としては昨年より出願数を集める動きになっています。
☆しかし、いずれにしても神奈川エリア全体の中学受験は、出願数だけからみたら昨年を超えるには到らなかったという結果に終わるような今のところの推移です。中学受験の熱で動くのではなく、冷静に学校選択が行われるようになっていくということでしょうか。
☆出願数が減ると、質が下がるという先生方もいますが、そのように判断する基準は、意外と偏差値なんですね。定員割れの事態を防ぎ、入学してきた生徒それぞれの才能を発掘し、伸ばすというのが私立学校の重要な役目なのですが、いつしか、偏差値の高い生徒が入学してきて、彼らが勝手に受験勉強して、大学進学実績を出して、その学校の本来の教育をスルーしていくということがないわけではありません。
☆そんなことに気づいた学校選択者が、本物の学校を探し始めたという流れができればよいのですが、本当のところはそういう大きな動きになっていくわけではないでしょう。兆しはたしかにありますが、やはり大きな流れにはなかなかならない。それは経済事情が結局大きいということでしょう。
☆せめて、私立学校は正しい(?)市場の原理にエールを送らないと、日本の市場が縮小に向かうと、結局その余波が自分たちに影響します。公立学校のように統廃合を進めればそれでよいというわけにはいかないでしょうから。私立学校の市場の形成とは、私立学校それぞれの独自の教育の特徴を形成していく競争原理ということを本来は意味します。
☆大学進学実績の高低でも市場競争は起こるのですが、正しい(?)市場の原理ではないような気がします。もっともこれが正しいか正しくないかは市場が決めることですが・・・。
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