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首都圏 中学受験 2008 [22]

☆今日で、東京エリアの私立中高一貫校は、すべて出願を開始したことになりました。すべての学校の出願件数がオープンになったわけではないのですが、学校選択判断の大きな流れは浮き彫りになりました。

080121 ☆東京エリアで、200人以上の出願のある学校を、3つの層に分けて、その層それぞれに占めるクオリティスクール(ここでは広い意味で使っているので、エクセレントスクールも含みます)の割合について、男子選択校と女子選択校と比較してみました。

☆男子選択校は女子選択校に比べ、もともとクオリティスクールが少ないので、グラフのように女子選択校と比較すると差が出ますが、なるべくクオリティスクールを選択したいという結果になっています。そして女子選択校はそれが顕著ですね。

☆こうして書いている間に、世界は欧米先進国だけではなく、インドや中国も株安、つまり世界同時株安で金融市場は混迷しているというニュースが報道されています。もちろん日本も例外ではありません。このように混迷しているのですが壊滅するわけではないカオスモーズのような社会で、サバイブしていくにはどうしたらよいのでしょう。

☆金融市場の原理は価値相対主義です。平均すれば株安でも、そこで儲けている投資家はいるんですね。そうでなければ成り立ちません。しかし、ムードとして危機のとき、金融市場はどう対応するのでしょうか。物価を上げるんですね。インフレです。バブルです。そしていずれ崩壊する。しかし再び・・・。これが価値相対主義の偶然の必然というやつです。

☆こういう社会でサバイブするには、なんといってもかけがえのない希少価値を創造することです。価値がとんがっていればいるほど、とんがっている価値創造ができるクリエイティブ人材であればあるほど、社会に影響を与え、舵をとり、サバイブしていく環境を形成することができます。

☆出願数から見て、あふれるほど多く集まらなくても、クラス増や倍率がアップしている学校があります。京北学園の川合校長先生は、「第一志望の出願が増えたねぇ。一クラス増やせるかもしれない。中学の授業では、先生方全員が『丁寧なコミュニケーション』を行っているから、そこが世の中にやっと受け入れられるようになってきたかな。」と今年の募集の状況について語ってくれました。

☆白梅学園清修の道元(みちもと)先生は、「朝早くから、説明会に何度も来校してくださった保護者の方々が並ばれました。お互いに顔を知っていますから、気持は通じるのですが、説明会の時とは違って、やはり緊張するものがありました。入学試験は選別試験でもありますから・・・」

☆おもてなしの心のある学校の先生方が、ジレンマと戦う日々が始まったわけです。毎年中村中の教頭梅沢先生の笑顔の陰に苦悩のしわが刻まれる日々がやってきたのです。こういう子どもたちの痛みを了解でき、しかし出会ったことのかけがえのない価値を互いに見出せる関係をつくることができるクオリティ・スクール。それは、受験生の選択判断基準が、作り上げていくとも言えます。

☆共立女子の選択者は、目先のことよりかけがえのない価値の創造を求めます。豊かな関係性を望みます。だから共立女子の教育はそのような質を形作っていくのだとも考えられます。

☆世界同時株安の状況で、資本力を期待されているのは、政府系ファンドです。資本を増やす原資は、原油やダイヤモンド。しかし、シンガポールの政府系ファンドは、そのようなとんがった物質的価値ではなく、ソフトそのものが資本。日本も物質的資源がない。しかし、ソフトそのものの価値ではなく、ものづくりという物質的二次資源に依存してきた。二次資源は相対的価値の変動幅が大きい。だから世界同時株安の中で、マイナスに触れる幅が大きいのは日本。独自の価値、ソフトパワー、創造性などなどが、これからの世界で重要であることは、もはや明らかです。

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