首都圏 中学受験 2008 [39]
☆大阪府知事選で橋本さんが当選確実というニュースを聞きました。橋本さんは69年生まれですね。いわゆる新人類世代生まれ。新人類世代や団塊ジュニア世代すべてが、冒険的で、周りの目を気にすることなく、世の中をゆさぶりながら、なんといってもフラットな言動で自分のペースで生きていくというわけではないですが、リーダーシップを発揮したり、ベンチャー企業で成功している方々は、そうですね。もちろん、全員と話したことがあるわけではないですから、断言はできませんが。
☆大学院を辞めてからの私の生活は、この新人類世代、団塊ジュニア世代といっしょに仕事をする機会が多かったので、割と同じようにコミュニケーションがとれてきたと思ってきましたが、まだまだこの若き世代に比べると階層コードでリーダーシップを発揮してきたと思います。
☆この若き世代は、階層コードの言説でコミュニケーションしていくと、才能を発揮しないんですね。自由とフラット、でももちろん新しい倫理感もあるのですが、ともかく雰囲気がよくないと才能を発揮しないようです。がまんはしないのです。一見そう見えても、それはがまんではなく損得を合理的に計算しているのです。
☆だから組織を階層コードではなく世代コードで活性化するか、組織から抜け出てフラットなベンチャー企業を創るかしなければ気がすまないメンバーと組織の中でストレスを感じないでマイペースで生きていくメンバーと極端に分かれてしまう世代でもあります。しかしとにかく会社のために、お国のためになんて言葉は、新人類世代や団塊ジュニア世代にはナンセンスです。
☆ただし、コラボレーションは大事にします。しかし、そこに支配-被支配関係はあるはずはないのです。だから階層コードで無理やり引っ張っていくと、動かなくなります。それにこの世代は哲学が大好きですね。これは団塊、断層世代とは大きく違うところかもしれません。
☆ただし電脳哲学だったりアニメをアナロジーとした哲学です。断層世代以前の世代の中にたまに哲学を語る人もいますが、まともにカントだウェーバーだヘーゲルだを論じちゃう野暮な輩なわけです。けれども、新人類世代は、ガンダムやパプリカやエバンゲリオンやDSなどのゲームなどをアナロジーとして思想を語りますね。
☆最近私の仕事のクライアントは、新人類世代、団塊ジュニア世代で会社経営をしている人ばかりですが、みなさんゴルフの話から、ガンダムの話から、政治の話から、金融市場の話から、組織の在り方から、財務の話から、ロックの話から、高級車の話から、不動産の話から、モバイル広告の話から、何でも一度に短い時間で、カーッと話をします。
☆私立学校の先生方との対話とは、またちょっと世界が違うコミュニケーション空間があって、それはそれで楽しいですね。しかし、そんな新人類世代、団塊ジュニア世代の経営者のみなさんと話をしていて、必ず出るのは自分の息子と娘の教育の話題です。
☆自分たちも中学受験経験があったり、海外留学の経験がある人が多いですから、教育に関する理屈は相当なものです。まだ年長ぐらいの子供が多いですが、あと5、6年もすれば、つまり2013年前後には、その世代の子どもたちが中学受験に参入するわけです。
☆新人類世代、団塊ジュニア世代で私立中学の環境を考えている富裕層は、東大が頂点という学歴ピラミッドの発想は持っていないし、だからといって勉強を無視することもないですね。むしろ本当の勉強の仕方を知っています。だから、受験勉強が勉強のすべてだとは思っていないし、学びの場は海外であってもよいと考えているはずです。それに教育は選択するものであり、選択されるものではないという信念を持っているのは明らかです。選択意志決定、クオリティへのこだわり、個人がまずあって、互いに利益をえる組織づくり、クリエイティビティなどに興味と関心があるのです。
☆私がクオリティスクールやエクセレントスクールなどの学校選択論を模索しているのは、近未来の私学市場は、間違いなく多様な指標で、子どものクオリティと才能を最適化する学校とマッチングをかけるという行動志向になっているからです。
☆したがって、団塊あるいは断層世代が牽引しているようなあるいはフラットな組織ではなくピラミッド型組織の塾や情報センターが編集している情報は、あまり役に立たなくなるでしょう。私立学校の選択理論は、学校の教育の質だけではなく、受験生を結びつける塾という社会的機能の質の問題も関係してきます。
☆合格すればそれでよいという時代は、すでに終わっているはずですが、まだまだそれは変わっていません。ここを変えるには、私立中高一貫校それぞれが模擬試験のような入試問題を、まずは作成しないことです。
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