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学び野[01] 媒介項って?

☆最近、アスコムの編集者の方々とブレークスルーMTGをしてます。10歳の壁を超える方法論やコンセプトをお母さんに伝えるとしたらというテーマ設定が多いですかね。私立学校の先生方や私の仲間を結びつけて、座談会をしようとか、私学の先生方とコラボ授業しようとか、講演会やろうとか、セミナーやろうとか、新しい企画をたてようとか・・・。思いつくまま。

☆小学生対象、中学生対象、高校生対象、大学生対象は、経験があるけれど、幼稚園生対象のプログラムはまだないので、この年齢層もやってみたいとか。もっともやるのは私ではなく、盟友岡部憲治さんとか仲間たち。わたしはつなげるだけ^^)♪~

☆さて、この間NHKのクローズアップ現代を見ていたら、ある友人から「お~い、今NHK見てるかい。フィンランドの就学前のそれそれ。その授業だよ。いろいろな物用意して、どれが水に浮くか浮かないかやってるだろう。実際にボールに水はって、浮かべてみてるだろう。日本のお受験でやってるのと同じだよ」と。

☆なるほど、日本では富裕層でしかやっていないような授業を、フィンランドでは子どもたちがみな体験できるのですね。しかし、けっこう日常でも体験できることで、それほどすごくないと思う人も多いでしょう。

☆たしかにそうですね。今の子どもたちは体験が足りないというばかばかしい議論しかないのが、日本で、フィンランドは違うんだな。体験の多寡はあまり問題ではないのですよ。アスコムの編集者の方々と、体験は大事だけれど、まさかそれだけで「地アタマ」とか「創造脳」ができるわけではないですよねと議論をいつもしています。

☆京北の川合先生が参入すると、そこにていねいなコミュニケーションが介在しなくちゃねということになるし、共立の渡辺先生がさらに参入すると、そのコミュニケーションが関係性を生むコトでないとねとなります。中村の小林理事長が加わると、知と徳と身のトライアングルの響きがそこになきゃとなるんですね。そしてそして海城の中田先生が入ると、感性をゆさぶるドラマや冒険がなきゃと具体的な授業に発展していきます。そこに岡部さんを連れていけば、マンガやアニメという反教育的メディアをぶつけてズレを生んだ方がよいと。

☆体験はただ通過しているだけではなく、体験自体に耳を傾けたり、身を浸したりして、いろいろ発見したものを結びつける媒介項が必要なんですね。媒介項があれば、体験したものは経験知になるんです。経験知にシフトすると、それは応用がきくんですね。

☆この媒介項の存在は、ヨーロッパの哲学の伝統で、三位一体発想なんです。中村の小林理事長の着想は、これなんですね。中村はカトリック主義?実はそうですよ。ここだけの話です^^)。この媒介項の存在を認めるのは、アメリカではプラグマティズムです。海城中田先生や岡部さんはこの思想に親しんでいますね。共立女子の渡辺先生や京北の川合先生は、むしろこの伝統を超えようとする思想に親しんでいますが、どちらもヨーロッパの伝統を踏まえています。

☆フィンランドの教育哲学はカントやヘーゲルの影響が強いようです。日本の公立学校の教育に足りないものは、この媒介項としての置き換えです。フィンランドの教育では、この媒介項を養う方法論が実践されているのですね。なんて話をアスコムの編集者の方々や白梅学園清修の戸塚先生と議論したりしている今日この頃です。

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