学び野[04] フィンランド・メソッドの媒介性
☆<体験―媒介項―[経験値=体験=知識]―媒介項―[経験値=体験=知識]・・・>の連鎖を『結びつける考え方』と呼んでいるわけですが、この媒介項には、様々なものやコト、そして方法論があるわけです。実はここの部分も体験であるわけですが、それはまたいつか考えてみることとして、媒介項としてのフィンランド・メソッドというのを考えてみましょう。
☆北川達夫さんは、フィンランドの文化や教育に造詣が深い方のようです。北川さんは「図解フィンランド・メソッド入門」(経済界2005年)というわかりやすい本を書いています。
☆フィンランドの読解リテラシーは、次の5つのポイントで学ばれるとあります。
①発想力
②論理力
③表現力
④批判的思考力
⑤コミュニケーション力
☆OECD/PISAの最高位のレベル5の習熟度は批判的思考力のレベルですから、就学前からこのようなポイントでトレーニングされていたなら、世界標準のランキングで上位に自然と位置するのもうなづけますね。
☆フィンランドも日本も第二次世界大戦は、ナチと手を組んでいます。そうせざるを得なかった歴史的必然は違うわけですが、戦後この批判的思考力をフィンランドの教育が積極的に導入したのに対し、日本の教育は学習指導要領の項目の中の一つに過ぎず、プログラム化されているかどうかは、学校によって教師によって違うでしょう。
☆戦後の平和や経済政策においても両国の考え方は違うようです。そういう世界史的な視野を考慮した上で、フィンランド・システムを参考にするかどうかについて議論するというのは、日本の教育関係者の中ではないですね。
☆世界ランキングがトップだから学ぼうという教養のなさが日本の教育専門家集団なのでしょうか。学びとは人間の存在野を豊かにするかどうかがまず大切だというのに・・・。
☆それはともかく、次回は発想力がどのように生まれるのか、その仕掛けについて考えてみましょう。
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