08中学入試問題とPISA[08] JGのテキストは二元論
☆JGの問題も、記述式の問いが多くなりました。問題量も多いし、記述量も多いので、情報処理速度と情報圧縮速度と想像速度を相当速めなければなりません。そのためか、素材文であるテキストは、3題とも共通点があります。
☆どれもリアルとイメージの対比で、その統合はなく、リアル重視あるいは両者の境界をはっきり示す二元論的テキストです。一般的にはバランス感覚が働いている文章が選ばれるのですが、豊かなリアル、愛に満ちたリアルを重視するテキストが選ばれるわけです。
☆思考訓練としてはシャープでやりやすいけれど、現実生活では妥協点を見出すのが普通ですから、実に心が痛むテキストが選択されています。しかしまたこれは、JGのプロテスタンティズムそのものの理念で、貫徹ぶりに感服。
☆JGの卒業生の生き方も、真理に向かってまっしぐらな人が多いし、教師もそうですね。なんといっても朝の礼拝のスピーチがそういう厳しい内容です。あれもこれもではないし、あれでもないこれでもないでももちろんなく、あれかこれかはっきりしなさいというものです。
☆あついのかつめたいのかどっちかはっきりしなさい。なまぬるいのなら吐き出してしまいますよとは、しかし、聖書の言葉そのものなんですね。あまりにストイックで、私は臆してしまいますが、21世紀の女性のリーダーシップには肝要かもしれません。
☆さて、OECD/PISAの読解リテラシーのカテゴリーやレベルに基づいて分析してみましょう。御三家の中では、問い自体は非常にバランスのとれたデザインがされています。レベル6の問題もあり、やはりPISAのレベルを超えています。
☆合格者の平均は、意外と難しいですね。67.1%ぐらいでしょうか。細部も読まねばならないし、全体も把握し、想像もしなければなりません。知識の問題もさりげないけれど、微妙な意味を問うものまであります。速度と総合的な思考力のトレーニングが欠かせません。
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