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首都圏 中学受験 2008 [53]

☆本日3日は、雪の中学入試となりましたが、多くの学校が予定通り入試を開始したようです。筑波大駒場、浅野、海城、逗子開成、学習院女子など滞りなく行ったという話ですから、同じエリアの沿線の学校も同様でしょう。とにかく雪道で事故など起きないことを願っています。

☆さて、首都圏中学受験の応募者総数は、2008年2月2日で、304,647人で、昨対比92.8%です。ここから増える応募者は、新しい受験生はほとんどいないと言ってよいでしょうから、やはり受験生の数は、49000人ぐらいが妥当ではないでしょうか。すくなくとも52,500人とか53,000人という、読売や毎日新聞が報道したような数にはならないのではないでしょうか。

☆もちろん中学受験の市場が冷えるからと、51,500人ぐらいの数字を塾が持っているどこの情報センターでも公式数字として発表すると予想されます。しかし、これは市場の原理ではないですね。むしろ市場の原理を阻害する操作性が感じられます。

☆もし、中学受験の市場を活性化させようとするのなら、大学進学実績や偏差値を優先順位の高い選択指標にしていてはダメダメでしょう。だいいちこの指標の信ぴょう性は、大学改革や大学全入時代、海外頭脳流出の時代にあって、時代遅れです。市場は時代に敏感ですから、古い指標ではどうにもなりません。

☆本来私学は、授業ベースの質の教育の競争なのです。それを無視するヤカラが、自分たちのやってきた土建屋的発想で私学を操作しようというのが、おかしいですね。どっかの週刊誌で、パネラーとして吹いている風でしたが、ああいいう人物を、すごい人だと崇める私学の先生方もいるので、そういう私学はとりあえず信じないことにしています。塾としても迷惑だというのに。原始的資本の論理だけで吠えるヤカラには本当のところ困っている塾のオーナーもいるはずです。

☆ともあれ、面白い人だね、ああいうのもあってよいと笑い飛ばす私学人は、したたかで痛快です。それもまた市場の原理ですから^^)。シンガポールの人たちが、戦争を忘れるわけにはいかないが、コミュニケーションはとっていくよと同じ論理なのでしょう。

☆やはり、授業やカリキュラム、プログラム、教師の創造的コミュニケーション、学びの空間を評価して学校選択の意思決定をするというのがこれからの時代の王道です。その意味でも、独自の視点で学校の授業の取材をしたフィールドワークの傑作「名門中学・最高の授業」 鈴木隆祐著(学研新書)は逸品です。

☆一方、受験情報誌のライターや各模擬試験センターのスタッフの弱いところは、自らカリキュラムもテキストもテストも編集したことがない人が多いし、学びの空間をデザインしながら学習プログラムを創出したことがない人がほとんどだということです。要するに売れりゃいいとだけ思っている、CSもESもCSRも意識しようと思っていない方々です。

☆そんな中で、ある情報センターのメンバーが強かったのは、86年ごろに立ち上げた当時の所長が、ある大手塾の教務部長の経験があったことですね。その薫陶を直接受けたスタッフが、実に大活躍してきました。それは教育や授業、カリキュラムの本質を見る目をトレーニングされていたからでしょう。所長の方は、もうとっくの昔にその情報センターを辞めてしまいましたが、まだそのメンバーの幾人かは、その塾に残っています。土建屋風、起業家風の経営陣に負けないで、本質的指標で情報を編集して発信し続けることを期待しています。私学の教育の質の競争が成立するかはどうかは、彼らの双肩にかかっています^^~♪。

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