首都圏 中学受験 2008 [62]
☆今春、白梅学園清修中学は、3期生を迎えることになります。各学年定員60名ですが、今回の新中1の入学手続きで、200名強の生徒数になるということです。人気のある学校であることの証拠ですね。
☆といっても、同校の人気というのは、少しニュアンスの違う人気のあり方なんですね。一般的に人気があるというと、入試の募集の段階で、倍率5倍とか、10倍とか、なにかこう過熱ぶりの雰囲気だし、広報活動も派手な展開のケースが多いのですが、どうもそういう雰囲気ではないですね。
☆広報媒体物も基本的なパンフレットや説明会告知用のポスターぐらいしか制作しません。合同説明会も必要最小限度の参加回数でしょう。塾との関係も浅からず深かからずですね。
☆どちらかというと新聞や雑誌などの取材に応じる以外は、同校のサイトで発信するぐらい―といってもこの発信力が毎日更新というすさまじいものですが―でしょう。
☆それなのになぜ?それは教育の質が高いからです。ですが、そのよさがどこでわかるのでしょうか。それは一期一会と口コミです。そして実は同サイトの一見学園の日常生活のブログによる何気ない発信がすさまじい広報の威力を発揮しているのです。
☆おそらくほとんどの広告代理店は、この柴田教頭の戦略を理解することができません。なぜかというと、彼らがパンフレットをつくるとき、柴田教頭が発信している極めて詳細で気配りのきいた目線とその情報は、目にはいらないからです。はっきり言えば、あまりに重要すぎて、パンフレットというページ数や文字数に制約のあるPR紙媒体では、全部削除されるような情報ばかりだからです。
☆私がなぜ出版に興味がなくなりマスコミでもほとんどコーディネーターで前面にでなくなったかというと、紙媒体というのは重要な情報を捨てて、読みやすくして儲けるシステムが成り立っているものが多いからなのですね。もちろん、そうでないところもあるので、そういうところでは少し控え目に顔をだしますが・・・。
☆現在ブログは、玉石混交の状況ですが、柴田教頭のように中高生や教員の生態系がわかる貴重な情報は教育界の宝石のようなものです。だからそれに気づいているマスコミの方はたいしたものだし、学校選択者の倫理的審美眼も驚くべきものです。
☆このブログに魅せられて、白梅学園清修の学校説明会に参加されて、さらに柴田先生の気概が先生方や生徒たちに浸透している雰囲気を感じられた方々は何度も学校説明会に足を運びます。受験生の43%は5回以上学校説明会や受験相談に足を運ばれているのです。
☆それにしても、柴田教頭の“Socratic Questioning”の手法には驚愕です。教頭室でお話をお聞きしていると、休み時間になるたびに、生徒が訪れます。あっ!お客様でしたか失礼しますと去ろうとするところを、どうぞ遠慮なく柴田先生とお話してと言うと、パッとにこやかになります。柴田教頭先生は、廊下に生徒と出ていって、そこで何やら問答が始まります。
☆「先生、どうして人間って平等でなければならないの?」と生徒が質問してきます。柴田先生はその生徒が発している背景を知っていますから、あたまから平等が大事だなどと説教を垂れることはないのですね。「平等である必要はないけれど、公平である必要はあるかもしれんなあ」と。「平等と公平って違うんですか」と生徒はまたまた疑問を持つわけですね。「努力をしたものもしないものも平等というのは少しおかしくないだろうか?そこは公平に評価した方がよいようなだ」と。するとその生徒は再びにこやかな雰囲気になるのです。
☆この時期の生徒たちは自分のクオリティを探し求めているし、高めようとするものです。そのクオリティを大切に守り高めるサポートができる学校が、本当の意味でクオリティスクールです。
☆柴田教頭先生は、来年の入試では、生徒1人ひとりのクオリティを大切できる入試も開発したいと新たな戦略をほのめかしていますが、具体的には何も語ってくれませんでした。それは秘密ですということなのでしょう^^)♪
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