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首都圏 中学受験 2008 [66]

☆2010年小金井市に、中央大学の附属中学が開設されるのはずいぶん前から話題になっていますが、同時期に横浜山手女子が中央大学の付属校になり、共学校になるかもしれないという記事が本日(日経新聞2008年2月19日)流れました。

☆横浜山手女子といえば、今年国際バカロレアコース(以降IBコース)を新設し、ラディカルな改革路線を突っ走っている学校ですね。昨年7月に訪問した時のレポートを書きましたが、その出だしはこうです。

「6年後、横浜山手女子は横浜山手地区の女子校の中でナンバーワンになります。まずは来春オンリーワンの教育環境からスタートします。」と口をそろえて明言したのは3人の先生方。副理事長石本渥先生、教頭野村宗人先生、インターナショナルコース教頭・開発準備室室長田口俊夫先生の3人である。

☆今ハタと気づきましたが、今年はオンリーワンだけれど、2010年以降はナンバーワンの道を歩むよというのは、すでにそのときに決まっていたのですね。ただ、そのときは女子校路線は崩さないという方向だったのが、どうやら共学校化するという話のようです。多少の路線変更は改革ではつきものですが、それにしても思いきったと思います。

☆ともあれ、IBコースの手続き者は今のところ8名で、もしかしたら10名になるかもしれないとのことです。このIBコースは今は目立たないですが、中央大学の付属校となるときに重要な役割を果たすことになるでしょう。

☆中央大学の戦略は、従来のMARCHブランドだけによっていたのでは、大学全入時代サバイブするのが難しいという学内の危機意識によっているでしょう。MARCHの中で中高一貫校の付属を持っていないのは、中央大学だけだったのですが、慶応、早稲田、立命館、同志社、南山など小学校から付属化を進めている、つまり幼年時代からブランドを広げる戦略を促進しているわけです。

☆中央大学のMARCHから外れていく危機感は相当強かったのでしょうね。それで、多摩地区だけではなく、神奈川エリアでも同時に付属校を出していこうという戦略に転じたのだと思います。青葉区には慶応の新しい小中一貫校も開設される予定です。青山学院はすでに横須賀学院と連携プログラムを実践しています。法政は以前から神奈川に付属校があります。

☆こうして見てみると、早稲田がどこかの私学と連携もしくは付属化する動きをしてもおかしくないですね。付属校が、多摩エリアと神奈川エリアで、競争的共在戦略を打ち出してくると、再び中学受験のムードが高まってくることになるでしょう。

☆青山は今のところ現場レベルでは、動きはないですが、相模原キャンパスにも、初等部や中等部を開設する経営判断が下ってもおかしくないですね。同レポートで、「2013年以降、日本の教育、経済、政治、法律、文化などのパラダイムががらっと変わる瞬間が訪れる。変わるというより変わらざるを得ないというのが本当のところだが、教育のフロントランナーはどうやら横浜山手女子であり女子教育なのであろうか」と書きました。残念ながら横浜山手女子は女子教育ではなくなるかもしれませんが、フロントランナーにチャンレジしていることは確かです。

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