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首都圏 中学受験 2008 [74]

日経(26日20:06)によると、

通信教育大手のZ会グループと学習塾大手の市進は26日、資本・業務提携で合意したと発表した。Z会グループが5月末までに市進に6%程度出資し、教材やカリキュラムを相互活用する。難関受験に強いZ会と、幅広い生徒に指導実績を持つ市進のノウハウを生かし生徒数増加につなげる。塾・予備校業界は少子化などを背景に大手による中堅・中小の買収や提携の動きが広がっており、1兆円市場の争奪戦が一段と激しくなってきた。

☆ベネッセやナガセ、河合塾など資本力のある教育関連会社や法人が、資本提携や業務提携を進めています。そして今回市進とZ会。

☆こちらはなかなか強いですね。市進に通って、東大に行ける道がなんか広がりそうなイメージじゃないですか。Z会も通信添削という古来のやり方では難しくなることを予想しながら、安定した生徒の確保が可能になるし、なかなかよいコラボではないでしょうか。

☆もしも日能研とSAPIXが資本提携したらどうでしょう。恐ろしいですね。そんなことはありえないでしょうが。いやこの世にあり得ないなどということはありません。合格実績で競争する必要なんて、本当はないのです。

☆受験生5万人の市場をどこまで独占するかで決まりますね。もしM&Aがおこったら、日能研の子会社NTSは大喜びです。なぜかというとセンター模試を運営しているのはNTSです。一挙に受験生はセンター模試を受けるようになるでしょう。

☆そうすると、四谷大塚や首都圏模試は少しだけ困りますね。それより問題は私立学校です。センター模試が大学センター入試みたいな機能を有してしまうからです。デファクト・スタンダード。

☆もちろんナガセとSAPIXが資本提携しても同じことですね。これらの集団は企業で倫理や理念はたいしてありません。要はマーケットの覇者になればよいわけです。合格実績の競争をするよりは、強い企業同士が提携する方が利益ははるかにでるんですね。

☆ローカルなこだわりを捨てたとき、塾のM&Aはシンプルに進むでしょう。しかし、そのとき私学はどうするのか。口頭試問に切り替えるしかないわけです。偏差値を否定するのなら、偏差値で測れないテストをすればよいのです。

☆もっとも1校だけチャレンジしても、桐朋女子のように苦戦します。桐朋女子は本当にフンバっていますよ。だから、あと20校ぐらいが、協定を結び、一斉に口頭試問をやったなら、塾の在り方も変わるでしょう。塾とのバランス・オブ・パワーを崩す私学は、はたして現われるのでしょうか。

☆カトリック学校はその可能性がありますね。幼稚園や小学校も有しているカトリック学校は、中学受験を聖心女子のように、一斉にやめることですね。中学入試の情報がそこだけ閉鎖的になります。情報開示は、資本力の戦略です。負の力に対しは盾や壁をつくることも必要です。ノアの方舟計画。カトリック校は塾に対し挑むことができるでしょうか。

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