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08 東大合格発表の季節[01]

☆今年も東大合格発表の季節が訪れました。依然として教育大国日本において東大というのは近代日本社会を形成した教育のルーツであることに変わりはなく、教育における文化資本再生産システムであるハビトゥスを持っています。

☆ですから東大の動向は、教育に関心ある人たちはチェックせざるを得ない1つのポイントです。サンデー毎日が毎年増大号を出し、速報を出版し続けることは、そういう意味では価値があるでしょう。今年も買ってしまいました。図書館で必要な箇所だけコピーすればよいのでしょうが・・・。

☆同誌によると、今年の東大合格を輩出した高校に変動があったようです。「地方の伝統校と関西の私立中高一貫校が躍進」ということのようです。実際には隔年現象のような気がしますが、それでは記事にインパクトがないですからね。

☆ただ、同誌にあるように、たしかに東大がここのところ大改革をしているわけですね。金融工学関連の学部を作ったり、地方や外国にまでいって、リクルート活動をしたり、年収や所得の少ない家庭の子弟や大学院生に対し大幅なスカラーシップ支援をしたりと。東大支援ファンドまで作ってしまうとか。莫大な研究費もゲットしているし。宇宙工学やナノテクノロジー、バイオテクノロジーをやるには最高ですね。

☆ハーバード大学のハワード・ガードナーは、知性と感性の両方を含む意味でのマインドを変化させる領域を3つに分けています。人間の頭脳をベースにしたテクノロジーとタレントの領域をWetware、コンピュータサイエンス、AI、ロボット、金融工学などのソフトウェアーやハードウェアに関するテクノロジーとタレントの世界をDryware、芸術やデザイン、宗教などの実存的なタレントや信頼形成力(Trusteeship)の領域をGoodwareと呼んでいます。

☆コンピュータの出現でWetwareとDrywareの領域はかなり重なってきましたが、Wetwareに足場をおいている教育は、東大といえど古色蒼然としていますね。これではいけませんが、東大の成り立ちをたどれば、しかたがありません。特にGoodwareは個々人の問題として、東大の中では特に無視されてきたところです。初代総理の加藤弘之は、敢然とここを排除しましたからね。キリスト教主義の教育は相当いじめられました。

☆ここから≪私学の系譜≫がはっきりと生まれてくるわけです。戦後、内村鑑三派の南原繁と矢内原忠雄などが、私学人と協力して、そこを修復し「教育基本法」を成立させたのですが、現行「教育基本法」は再び東大成立時のルーツにいつの間にか戻ってしまいました。

☆東大の広報活動は、この背景を巧みに活用していますね。工学系出身の小宮山宏東大学長(63)は基本的にはシステム論者ですから、加藤弘之のダービニズムの伝統を、意識しているかどうかわかりませんが、継承しています。まさに東大のハビトゥス継承者であり、国立大学協会は小宮山学長を会長に再任してもいますから、東大の広告塔でもあります。

☆東大はGoodworkなしのWeb-Dryware研究に邁進しているのですね。地方の公立名門校が俄然張り切るわけですね。東大と名門校は日本官僚近代のハビトゥスを共有していますからね。――なんちゃって。そういう見方もできます^^)という一例でした。

☆私としては、東大の合格者数が特定の高校に偏らなくなる傾向は、よいのではと思います。大学進学実績や偏差値という指標だけでは学校選択が事実上できなくなるからです。

☆東大―エリート名門校のハビトゥスの鉄鎖から自由になり、エクセレント名門校として世界の痛みを解決する拠点としてのハビトゥスに変わる。ハビトゥス・チェンジはいかにして可能か。つれづれなるままに書いていきましょう。

☆そうそう高校別東大合格のデータを今すぐ知りたいという方は、インターエデュのサイトで一部ですが閲覧できますよ。

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