学び野[16]大阪府の授業改善の媒介性
全国学力テストの正答率が、実施対象の小6、中3でいずれも大阪府が全国45番目となったことを受け、府教委は専門家による成績低迷の原因分析と改善策を盛り込んだ「学校改善のためのガイドライン」をまとめた。応用問題の成績不振の背景を、テストと同時に行われたアンケートの全国値との比較をもとに「授業のあり方に課題がある」と指摘、教員の説明中心の授業を「一方通行」と批判し改善を求めている。今週末にも公立小中学校、市町村教委へ配布する。
☆今さら何をと思うし、まさかこの専門家集団に何千万も調査依頼費などを無駄に使ったのではあるまいなと一瞬よぎりますが、それはさておき、一方通行授業では、体験>経験値になります。議論や発表、できればリサーチも入れてもらい、創造的思考を活性化する授業をすべての学校が行えば、世界標準の学力は完璧ですね。体験<経験値にもなります。
☆ともあれ、専門家集団は
「国語の授業で自分の考えを書くことが少ない」と答えた中学生が48・2%(全国平均35・4%)、「算数で学習したことを生活の中で活用しようと考えない」という小学生が44・6%(同37・7%)に達しているデータに着目し、「活用力がはぐくまれていないのではないか。授業のあり方に課題がある」と結論づけた。
☆なぜこういう権威者の結論を待っているのだろう。橋下知事を非難するより、知事のような人材に(性格は好き嫌いがあるでしょうが)みんなでなろうよとすれば、すぐに動くのに。
☆それとも何か。橋下知事の「35人学級の見直し」に対し、こういう手間暇かかる授業では35人学級が妥当だという作戦なのでしょうか。まさか・・・。
☆しかし、それにしても、開いた口がふさがらない。
改善の方法については「解決への過程を重視する」(算数・数学)、「教員の説明ばかりの一方通行の授業から、自分の力で作品に向かう授業へ」(中学国語)などと提案。国語の場合では、各学年で教える言葉の整理表を小中共同で作成、系統的に語彙を増やすといったプランを紹介し、一貫した方針に基づいた指導を求めた。
☆これ整理表をカルタ(マインド・マップ)に置き換えれば、上記の部分はフィンランド・メソッドです。あくまで新聞の記事で、専門家集団の提出した実際の報告書はこんなものではないことを祈りましょう。
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