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首都圏 中学受験 2008 [79]

☆今年の京北学園の募集戦略は成功し、新中1生は3クラスでスタートができるようになりました。学校の成長サイクル「草創期→成熟期→衰退期→蘇生期→死滅期」でいくと、10年前は衰退期にさしかかり、校長川合先生は、当時は教頭先生になったばかりでしたが、なんとか成熟期に戻そうと学内改革を断行しました。

☆千葉大や東大の教授たちとコラボして、オープン授業などを開始したのはそのころですね。その影響は大で、危機を脱して2クラス体制はできあがりました。7年前だったか8年前だったか、記憶が定かではありませんが、一度3クラス体制になり、そのままトルネードが起こるかと期待しましたが、昨年まで2クラス体制が続きました。

☆成熟期といえばそうなのですが、3クラス体制で経営基盤もしっかりしたうえで、京北の独自のそれでいて普遍的な教育環境を持続可能にしていきたいというのが先生方の思いだったのですが、じっと耐えていました。しかし、再び上昇しはじめましたね。よかった^^♪。

☆10年前にNTS教育研究所設立準備のときに、川合先生が新しい広報のあり方について情報交換しようよと連絡がありました。いいですよと軽く返事をして、パワーポイントで情報の整理をしてオフィスでお待ちしていました。

☆するとドヤドヤドカドカと狭いオフィスに10人ぐらいの京北学園の若き改革の使徒たちがやってきて、当時はプロジェクターを持っていなかったので、ノートパソコンを囲みながら、額を集めて議論しましたね。

☆それからずっと先生方との交流が続いています。交流といっても見守ることしかできないのですが・・・。それにしてもあれから10年たって、この間お会いしたとき、若き使途たちはすっかり貫禄がついていましたね^^)

☆10年前から川合先生の「ていねいなコミュニケーション授業」は始まりました。保護者も巻き込み、自治体も巻き込み、東大や千葉大も巻き込み、それは渦のように大きく転回し始めたのです。

☆しかし、当時は意識はしていなかったと思うのですが、多様な広報戦略のベースは差別化戦略だったのですね。他校と違うことをやっているという戦略ですね。ところが、世の中総合学習だ、世界標準の学力を身に付ける授業だ、学力低下の防波堤をつくろうということになって、京北のようなオープン授業も大学との連携も、プロジェクト学習も、他校もオプションとして取り入れるようになったわけですね。

☆だから競争圧力がきつかったし、公立中高一貫校などの新しい参入圧力もあって、本当にきつかったわけです。でも、川合先生が書き上げた「ワークショップていねいなコミュニケーション」(「月刊学校教育相談」所収12回シリーズ)を読んで、あっ、一般の授業の中で若き使徒たちが日々実践しているのだと再確認できました。

☆これはもはや差別化戦略ではないですね。差別化戦略とは他のやっていない別のものを行うことです。でもどこの学校でもやている授業で、京北学園は勝負をしたのですね。差異化戦略です。授業はどこでもやっているけれど、京北の授業は、それらとは似て非なるものであるという差異化をやってのけたのです。

☆川合先生をはじめ、京北の先生方には、共通のコミュニケーションの雰囲気があります。それは川合先生の論文にもある重要なコミュニケーションのベースなんですが、「アサーション表現」の雰囲気なのです。

☆「非主張的な表現」の空気は学園には流れていません。ですが、「自己主張による攻撃的表現」という空気でもありません。自分も相手も大切にした「アサーション表現」の空気が流れています。

☆この自分も相手も大切にする対話というのが、生徒の感情を大事にするのに重要な点なのですが、もう一つ重要なことは、生徒1人ひとり「あっ!」と気づく瞬間が違います。この「あっ!」という体験を待ってあげられる対話こそ、生徒1人ひとりの潜在的才能が開花する瞬間を生み出せる環境なのです。

☆こういう対話をほとんどの先生ができるという学校は他にないかもしれませんね。外観上は、対話しているんですけれど、この生徒をなんとか変えなきゃという「攻撃的表現」、本間流儀で言えば「抑圧的コミュニケーション」になっている場合がほとんでしょう。

☆「アサーション表現」のコミュニケーションとは私流儀で言えば、「寛容的コミュニケーション」です。実は日本のコミュニケーションスタイルでもっとも少ないのはこのコミュニケーションなんですね。このように、京北の授業は、他校の授業とは、似て非なる授業なのです。

☆さて、しかしこれだけで3クラス体制を持続可能にすることは難しいですね。似て非なる授業の質を向上させていく仕掛けが必要です。

☆私流儀で言わせてもらえば(だいたい私はアサーション的雰囲気はないですね^^;)、コミュニケーションは、創造的コミュニケーションと双方向的コミュニケーション、寛容的コミュニケーション、抑圧的コミュニケーションのバランスですから、寛容的コミュニケーションだけが常にピーキーになっていても困ります。

☆ですから、創造的コミュニケーションや双方向的なコミュニケーションの雰囲気も重要です。これらとのバランスを授業の中でいかにバランスよく浸透させていくのか。はたしてその仕掛けは?これについては川合先生はすでに手を打っています。そのヒントは京北学園の兄弟校白山高校にあるんですね。あとは成就するのを期待して待つばかりです。

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