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学び野[24]白梅清修の戸塚先生の媒介性 ①

☆昨年ぐらいから、私立学校の先生方の話の内容が大きく変わってきたなと感じる今日この頃です。差別化の時代から差異化の時代にシフトしつつあると実感しています。八雲学園の先生方と話していても、ほかの学校とこんな違うことをやっているんですという話にはならないですね。むしろ入試問題と文集や学内で発信されているものにこそ学校の真実が表現されているという話になります。

☆卒業式のときの答辞の内容も大きく変化していると。生徒たちは八雲学園で自分がいかに楽しく過ごせたかという視点から、八雲学園で過ごせたことがこれからの人生や社会にどういう影響力が持てるのかという視点になってきているという話で盛り上がったりするのです。

☆中村学園や京北学園、聖学院の先生方と話していても同じようなことを感じます。もともと共立女子の渡辺先生と海城学園の中田先生、開成の生田先生、明大明治の松田先生、女子聖学院の小倉先生とは、もっぱらそういう話しかしなかったのですが、最近はそういう話をどこの学校の先生方からもお聞きするようになりました。

☆学校経営の話にしても、同じですね。広報も差別化戦略から差異化戦略にシフトしています。広報が差別化戦略のうちは、入試問題の信頼性・妥当性・正当性の話などはあまり話題にならないし、授業のプロセス論には全くならないですね。ところが差異化戦略になると、教育の顔としての入試問題の働き・存在理由・評価測定方法論などの話で沸きます。授業の方法論や素材論、世界標準のレベルの話で侃々諤々になるわけです。

☆経営と教育の関係総体の話になるのが、差異化戦略です。差別化戦略は競争優位性をベースにしますから、偏差値だとか大学進学実績にしがみつかねば競争を勝ち抜けないのですが、差異化戦略は競争しているようで競争にならないのですね。入試問題も授業も文集も、お互いに似て非なるものをやっているわけですから。質の競争は実は競争ではなく共創になっているわけです。ゆるやかな理念共同体という市場を構築するけれど、その市場内での競争はないのですね。他の市場との競争はあるのだけれど、私学市場内での競争はなくなるのです。

☆ただし、相変わらず差別化戦略をベースにしているところも多いので、完全なゆるやかな理念共同体としての理想型にはならないですね。そういう意味では差別化戦略vs差異化戦略の競争はあり続けるでしょう。ただ後者が若干強くなりかけているかもしれません。

☆この差異化戦略の最先端にいる私学の先生方の1人に、白梅学園清修の天才数学教師戸塚先生がいるのです。今回は枕が長すぎました。戸塚先生から聞いたお話は次回のお楽しみということで、いったん筆を置きます。いやいやブログを投稿します。

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