08全国学力テスト“03” 9歳・10歳の壁を越えられない
☆今年の全国学力テストの国語の問題を分析していますが、当然ながら傾向や難しさは前年度と大きく違わないと思います。条件が同じでなければ、子どもたちの学力が上がったとか下がったとか測定できないからです。
☆私一人で分析するのではブレもあるでしょうから、国際教育研究家の岡部憲治さんとやりとりをしています。分析結果は、いずれ岡部さんのサイトでアップされるでしょう。
☆さしあたり、現段階で言えることは、これでは9歳・10歳の壁を越えられないまま、大人になってしまうという以前から語ってきた問題を解決できない学習環境が生まれているということです。
☆年齢に関係なく、批判的思考や創造的思考は行われなければなりません。習熟度レベルというのは難易度レベルではありません。9歳だからまだ習熟度レベルは2で良いのだということにはならないのです。
☆大げさに言えば、考える権利は子どもの学習権として認められているはずです。ここまで考えられればそれでよいというのは、実は思考の制約になるのではないでしょうか。
☆情報を確認し、整理できるだけで、確かに生きていける仕事は山ほどあるでしょう。しかし、一方で、その仕事で給料を稼ぐのはたいへんシンドイし、年収の総額もそれほど高くはないというケースが増えています。
☆何より、仕事は楽しくなければなりません。自分の状況を批判的に振り返り、創造的な時間を生み出していくサバイバル・スキルが必要です。企業も国家も補助金だして、年金をガンと支払って、守ってくれるという時代が崩れているのは、マスメディアで目の当たりにしているはずです。
☆それなのに、文科省はその時代を先取りしていないのが腑に落ちませんね。
*「読解リテラシーの習熟度レベル6」は、OECD/PISAでは設定していません。岡部憲治さんの視点です。詳細は「世界標準の読解力 OECD/PISAメソッドに学べ」(白日社)をお読みください。
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