08全国学力テスト“06” 小6国語学テの意味するコト②
☆今年の全国学力テスト小6の国語の問題の習熟度別レベルの出題割合分布を、八雲学園の今年の国語の中学入試問題(第一回入試)と比較してみましょう。八雲学園の理事長・校長は東京中高協会の会長近藤先生です。近藤先生は私学全体の教育の質の向上と持続可能性を保守する大きな役割を果たしています。
☆そして、今回私立学校のうち46%が全国学力テストを実施しないことに対し、その意義を認めてもいます。直接は論じていませんが、八雲学園の中学入試問題は、知識を問う問題に関しは言うに及ばず、思考の質に関しても、全国学力テストの小6の国語の問題を超えています。他の私学も同様のところが多いでしょう。そうすると全国学力テストを実施する意味がないというのが本音でしょう。
☆とにかく両者比べてどちらが難しいということは全く重要ではないのです。論理的な思考のみならず、批判的な思考も身につけてきているかを問う問題がきちんと出題されているかということが肝心なのです。OECD/PISAの習熟度レベルでいうと4と5ですね。
☆八雲学園に入学を希望する生徒は、当然このような問題の練習を積んでくるわけです。その姿勢や発想は学テに向けて勉強するのと同じです。
☆しかし、思考の質のレベル設定が違うのですから、勉強の結果に差がでるのは当然です。しかもその差は経済格差や学歴格差という量的なものではないのですね。思考の質の差なのです。能書きなんかいらないという日本の教育。そういう企業風土の中で、そういうピラミッド型組織の中でずっと暮らしていければよいですが、それは世界ではもはや通用しません。
☆同じ小学校6年生が思考するレベルに格差が生まれる。この「思考格差」を作り出している公立教育は問題ではないでしょうか。フィンランドに代表されるように、この「思考格差」を作らないようにするのが教育の使命なのです。
☆批判的思考や創造的思考は、難しいことなどないのです。むしろワクワクドキドキで、好奇心は充ち溢れるは、議論は盛り上がるは、なぜだろうと現象と言葉を開く科学的なものの見方・考え方は広がるは、知的な遊びが展開します。誰もが楽しめる領域です。つまりモチベーションがアップするのです。フィンランドはこのレベルまで、就学前から学べる環境を作っています。この点に関しては、素直に学んだほうがよいと思います。たしかに社会的背景が違いすぎて、単純に真似はできないのですが。
☆本当は私立学校に学ぶのが速いのですが、どうも文科省はそういう動きをとらないですね。研修費や研究費、リサーチ費をかけてフィンランドにいかねば学べないとでも思っているのかもしれませんが、まったくチルチルミチルですねぇ。それにしても、その研究で学んでくるものが、文科省の教育政策を正当化する素材ばかりだとしたらどうでしょう。どうもそんな感じがしてならないのですが・・・。
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