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世界を変える学校[08] 海城学園⑥

世界を変える学校[07] 海城学園⑤ 】のつづきです。

☆中田先生の序の最後の部分を見てみましょう。

振り返れば、私が大学院を終えて本校に赴任し、最初に担任した学年が、この「卒業論文集」の栄えある創刊号を纏め上げました。彼らが高校を卒業してこの春でちょうど十年目になります。大学や大学院の修士課程を終えて社会に出て行った者に続いて、この一、二年は大学院の博士課程を修了した者たちの就職の報告が届くようになりました。大学や官庁の研究職に就くというもの、博物館の学芸員になるというもの等々、職種は様々ですが、彼らが一様に口にするのは、「自分の学問・人間形成において、中3で卒業論文を書き上げた経験は掛け替えのないものでした」という一言です。
 最後に、今回先輩たちに続いて立派に卒業論文を書き上げた学年の生徒諸君が、この学びを通して手にしたゆるぎない自己信頼を土台にして、更なる飛躍を成し遂げ、頼もしい先輩たちの後に続くことを心より祈念して、ささやかなはしがきに代えたいと思います。

☆ここの部分には、海城学園の「卒業論文」の編集活動が、いかに世界を変えているのかについてさりげなく書かれています。

☆この活動は、研究職、学芸員、企業人などそれぞれの道を歩むことになったきっかけのひとつとして影響力があることが述べられています。それぞれの道を歩むという確信をもつことは、それぞれの生徒が、1人ひとり自分の世界観を持つということを意味します。世界を変えるというのは、まずは漠然としてあるいは不安をもって歩んでいた自分の中で、あっという気づきとそれによって急に膨らむ自分なりの世界観が立ち上がることです。

☆その世界観を互いに支え合う友人、先輩と後輩、そして生涯見守ってくれる教師の存在が肝要であるということも示唆されていますね。自己信頼とは、自分の世界観を自分で立ちあがらせることと、その過程を支え合う他者との出会いの確信から生まれてくるのでしょう。

☆そしてそのそれぞれの世界観は、今度は自分の外部にある世界そのものに影響を与えるのでしょう。家庭や地域や学校や社会や国や国際社会の政治経済・生活・文化に影響を与えるのです。もちろんその影響には、海城の倫理である公正としての正義が横たわっています。

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