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若者論と私学[01]

☆少子高齢化、政治の不安定の2大問題が、日本の未来の見通しを悪くしていると言われています。しかしながら、一方で大量生産、大量消費、大量移動の資本主義社会を、資金倹約型、労働集約型、職人技術型の労働条件下で行ってきた日本が変容しようとしている大きなきっかけであるという認識の仕方もあります。

☆従来型の日本社会の作り方でいえば、少子高齢化問題は重大なインパクト。そして社会が変容しようとしているのに、それに背を向け旧態依然とした利権政治をやっていれば、それは政治は不安定にならざるを得ないでしょう。

☆ですから、未来の日本を展望しなければならないのだけれど、単純に目の前の現象を否定して未来を描こうとすると、反動的になるだけで、後退すれども前進なしという膠着状況が生まれてしまいます。

☆少子化という時代に乗って、子ども論や若者論の商品化が展開されていますが、商品というのは時代を拓くトリガーになるものもありますが、そうでないものがほとんどですから、巷にあふれている若者論の多くは、若者をターゲットとした新しいトレンドのマーケット創出に一役買うものが多いというのもわかりすぎるぐらいわかります。

☆商品は本質をえぐるものであってはならないのですね。顧客の満足を生み出すものがよいのです。顧客満足を作りだすものは、不安解消ハウツーです。20世紀型日本社会は家族、特に親が生きることへの抑圧に耐えることが半ばルールでしたから、常に不安の雰囲気の中にいるわけです。大家族から核家族への解消と同時に生きることへの抑圧におとされるわけです。自分の力で独立独歩歩まねばならないと。

☆日本の家電もPCも、この1人個人で多くのことができる環境を作っていき、その環境が見事に商品化として成功するんですね。独立独歩、マイウェイは間違いなく近代の光の部分なのですが、どうも様子がおかしい。

☆しかし、そんなことはわからないまま、核家族化した家族には宝物以上に大事な子どもが誕生する。同時に目の前で子どもや若者の了解できない言動現象が生まれている。不安はいっそう募ります。そこをターゲットに若者論を売るわけですね。

☆「抑圧→不安」という環境を設定しておきながら、その解消ハウツーを販売する。これがある意味資本主義の生態系でしょう。しかし、逆にだからこそ、<いま、ここで>の言動現象の分析は大事なわけですね。その分析結果があるからこそ、その結果を生み出している社会分析のヒントが得られるわけです。

☆しかし、言動現象と社会構成の両者がうまくいっていない(後者については社会批判になるので、売れ筋にならない場合が多いんですね)ものが多いんですね。言動現象の分析はすごくおもしろいけれど、社会構成論としては全く言及がないもの。言動現象の分析は紋切型でおもしろくないけれど、社会構成論としては実に鋭いもの。いろいろです。

☆ところで若者論と私立学校がどのように関係するのでしょうか。それは私立学校、特に首都圏の私立中高一貫校をここではさしているのですが、この領域では<いま、ここで>の若者の言動現象が通用しない、あるいは私立学校自身がそのような言動現象とは違う路線を作ろうと四苦八苦しているわけで、多くの若者論が見逃している領域があるということを示す必要がありますね。首都圏の私立中高一貫に通っている生徒数は、同世代人口のうち3%前後です。量的には無視できるかもしれませんが、社会的影響力は大である領域でもあるはずです。

☆日本の未来は、いうまでもなく若者にかかっているわけです。その若者論の光と影の部分を見ておくことは意味のあることだと思っています。そんなわけでいつものようにつれづれなるままに綴っていきたいと思います。

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