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不安を生みだす抑圧系[02]

☆不安を生みだす抑圧系の浸透力は、男性性のステレオタイプの形成と相関しているかもしれません。もっともこの男性性のステレオタイプ形成史など途方もない作業で、それは学者にお任せするしかありません。

☆しかしながら、今の若者論を読むと、「男は黙ってサッポロビール」「大きいことはイイコトだ」なんて団塊・断層の世代に受けれられてきたコミュニケーションとはどこかその手法や価値観が違ってきていることは、みなさんが承知していることではないでしょうか。

Photo ☆今年公表された内閣府の「男女共同参画白書」を見ていると、私たちの国日本は、まだまだ男性性の圧力がすさまじいことがわかります。「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考え方について反対している女子、男子それぞれの割合を表にしてみました。なんとなんと日本も韓国も女性の75%が反対ではないという結果になっています。データは、平成14年度の内閣府「男女共同参画社会に関する国際比較調査」(平成14年度)によるので少し古いのですが、ここ数年で大きく変わったとは思えません。

☆女性を抑圧する男性性の日本システムはすさまじいものがあります。しかし、一方で若者はこの男性性のステレオタイプはダサイという言葉で、一笑に付している感もあります。アキバ系はその一つの顕われでしょう。

☆もちろん、それがにわかに広がることはないでしょうが、SMAPを中心とするジャニーズの人気は、確実にこのステレオタイプをチェンジしていくかのような勢いです。しかし、やはり・・・、ファッションとして男性性のステレオタイプをチェンジしているだけで、中身は変わっていないかもしれません。ネットやモバイルの裏サイトの事件は男性性の負のステレオタイプが闊歩している可能性がありますね。

☆それに、2006年のOECD・PISAの学習背景調査による、学校の評価において「絶対評価」を取り入れているかどうかの割合も表に並べましたが、取り入れているという校長の回答は80%で、他の国に比べて、決して低いものではありません。にもかかわらず男性性の圧力が強い。

☆これはどういうことでしょう。スウェーデンでは男性性のステレオタイプが衰退しているという背景で「絶対評価」を実施しているのに対し、日本では男性性のステレオタイプが健在であるにもかかわらず、「絶対評価」をしているのです。

☆繊細な保護者が私立中高一貫校の受験をなぜ選択するのかというと、もしかしたらこの男性性の圧力下の「絶対評価」ではなく、その圧力が希薄な「相対評価」によって、つまり仮想市場の競争によって進路を決めたいと感じているからかもしれません。

☆海外勤務の経験ある保護者は特にそうでしょう。私立中高一貫校の中で多くの帰国生が選択する学校が少しずつチェンジしていくのは男性性ステレオタイプではない異文化の影響を被るからでしょう。攻玉社が外から見ていて変化しているように見えるのはそのせいかもしれません。国際学級を運営し始めた時点では、帰国生を男性性ステレオタイプの枠にはめようとしたが、それはできなかったのではないでしょうか。その変化を受け入れているのではないかと思います。

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