不安を生みだす抑圧系[05]労働相談件数増加①
☆ 「<職場いじめ>昨年度27%増…相談6千件 厚労省まとめ 5月24日11時35分配信 毎日新聞」によると、
厚生労働省は、07年度の総合労働相談の結果を公表した。職場でのいじめに関する相談が前年度に比べて約6000件(27%)も増えたのが特徴だ。労組や弁護士グループの労働相談でもいじめ相談はここ数年増加しており、職場でのいじめが深く広がっていることをうかがわせた。総合労働相談は全国の労働局が約300カ所で実施。相談件数99万5061件(前年度比5.2%増)のうち、労働条件の引き下げなど個別の労働紛争に関する相談は約20万件(同5.5%増)に上った。
☆この記事の情報ソースは、厚労省の「平成19年度個別労働紛争解決制度施行状況 」によっていますが、そこに載っている相談件数の増加のグラフを見ると、ゾーッとします。それはこんなに増えているのかというより、今まで相談という形をとらずに、どれほど泣き寝入りしてきた数が多かったかということを想像してしまうからです。
☆これは教育という職場でも同構造なのでしょうね。教職員の中の人間関係の悪い学校に子どもが通うと、それはあまりに不幸ですね。教職員間で抑圧的な雰囲気があると、それは生徒たちにも影響を及ぼすからです。
☆これは家庭でも、企業でも、官庁でもどこでもそうです。かつてある公立中高一貫校の校長がパワハラの言動をとっている姿をみました。私立中高一貫校のある教員が業者に対して非人間扱いしている現場にも遭遇しました。人間は互いに狼であるとは誰が言った言葉だったでしょうか。まったく悲しい現実です。
☆子どもたちをオオカミの餌食にされてはたまったものではありません。人間は互いに狼でないように信頼関係を結ばなくてはなりませんね。あれっ!これって社会契約論ではないですか。もっともルソーではなく、ホッブス的ですが。
☆なるほどロールズの公正的正義論は有効ですね。この契約は、しかしコントラクトなのでしょうか、コベナントなのでしょうか。1つの言葉は言語的差異の構造でできあがっています。コミュニケーションの重要性は、この差異の構造を常に再構成しながら議論することです。
☆これができないのは日本の教育に問題があるのですが、そのことにすでに気づいていた私学人は福沢諭吉ですね。「文明論之概略」は、議論ができない日本人よなんとかせいというところから始まります。
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