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世界を変える学校[18] 白梅学園清修の変化③

世界を変える学校[17] 白梅学園清修の変化②のつづきです。白梅学園清修の数学の水脈はたいへん興味深い。授業終了後の特別講義で、その鉱脈の質が少し見えますが、ふだんの授業の前面にでてくるのはこれからでしょう。

☆数学科の戸塚先生の探究は、おそらく日本の数学教育や日本の教育そのものにも影響を与える活動だと思います。特に新学習指導要領の改訂作業が行われている今、注目に値すると思います。

☆99年以降、東大の文系の数学入試問題では、頻繁に確率の分野から出題されるようになっているそうです。もちろん学習指導要領の影響ですが、戸塚先生は、そういう動向を単純に入試傾向としてつかんでいるのではないのですね。学びの方法の変化の予兆としてとらえているのです。

☆つまり、多角的視点で教科横断的に思考する・発想する時代の到来に合わせた学びの方法論が必要だと感じているし、考えているのだと思います。

☆だから今年の東大の確率の問題についてご教示を受けたときに感動しましたね。中学生でも(1)は解けてしまうんですね。確率に「時間の推移」をマインド・マップ的にチャート化するとできてしまうのです。

☆しかし、同時にどこが難しいのかというと、言語化と数値化の相互シフトが難しいのですが、このシフトの時に外延量と内包量の差異について知っておく必要があるのですね。

☆戸塚先生は、「50%の濃度の食塩水100グラムに50%の濃度の食塩水50グラムを加えると濃度と水溶液の重さはどうなるのか」という質問をすればその差異はすぐに理解できるのですけれどねと微笑みます。たしかにそうですね。それにこれは先生がいつも語られる中学入試と中高の数学の大事な接続点でもあります。

☆ともあれ、戸塚先生は、私たちの話している言葉は、外延と内包がねじれているので、誤解も起こるし、解けたときの感動も大きいのですねと。時代はコミュニケーションと言われていますが、実のところコミュニケーションをどのようにとればよいのか、その方法論についてはきちんと研究されていません。その手の本を読んで、わかった気になるのですが、外延の論理だけで語られているので、実際のコミュニケーションでは役に立たないのですね。

☆数学と言語の両方の視点をどのように統合し、新たな知識や発想を生んでいけるか。そんな学びの時代に日本の教育も突入します。ただし、今回の文科省の学習指導要領の改訂はそこまでいきません。10年~20年後の改訂まで待つことになるでしょう。世界標準から遅れをとる可能性があります。白梅清修が生徒の成長を、世界標準のモノサシで見守るのは、生徒の未来のサバイバルのスキルを見定めているからでしょう。

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