学び野[29]なぜ松田先生の授業がターニングポイントなのか①
☆前回の「学び野[28]究極の授業の勉強会 第1回The授業リンク開催」で明大明治の松田孝志先生の授業の重要性について気づいたことを語りましたが、うまく書けませんでした。それでいつものようにつれづれなるままに書いていきながら、着地点を見出せたならと思います。
☆とにかく松田先生の授業は、現代の日本の隠れモダニズムであるポストモダ二ズム・マーケットを変えるヒントがあるという直感を抱いているわけで、そのへんをウダウダ考えてみましょう。
☆ハーバード大学の教授ダニエル・ゴールマンは、EQ(心の知性)で世に知られている脳科学と行動科学をベースにした心理学者です。ゴールマンはジグゾー法を、他者を、彼らというモノから私たちという関係にシフトする手法の一つであると最近の著書「SQ(社会的知性)」で語っています。
☆松田先生の授業の手法の一つに、やはりこのジグゾー法を発展させたメソッドが開発されています。この手法はともすれば知識伝達の有効性や新しい発想に気づく方法として有効などという狭い評価になりがちなのですが、生徒一人ひとりの違いを見える化する方法だということが、ゴールマンのスコープをあてれば見えてきます。
☆さてなにゆえに生徒一人ひとりの違いを見える化することが必要なのでしょう。プレゼンテーションをする自己のアイデンティティの確立のため・・・などというキッズ・マーケットやキャリア・マーケット的発想ではありません。
☆しかし教育のマーケットの問題点は、あきらかに「キャラ立ちブランド形成」の必要性を販売促進しています。簡単に言えば「レッテル貼り」こそブランドだなんて言っているわけで、何か違うんじゃないか、けれども、そういう商売が着実に私立学校に忍び寄っている。松田先生の授業はそういう隠れモダニズム的ポストモダニズム(東浩紀さんたちのポストモダンとは似て非なるものです)の侵食を防ぐ授業になっている。そういう点でまずはターニングポイントなのではと、The授業リンクの勉強会に参加して感じました。
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