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私学の経済ポジショニング[08]私学経営研修会に参加して<02>

☆「私学の経済ポジショニング[03]端緒を探る③私学経営研修会に参加して 」のつづき。今回の研修会では、パネリストだったの、事前に準備したレジュメに沿って話したわけではない。触れなかった項目について、パネルディスカッション終了後に何人かの先生からご質問をもらった。今回のレジュメの項目は、今年考えていきたいテーマも入っているので、本ブログで考えていきたい(必ずしも項目番号順ではないが)。

☆レジュメの項目は次の通り。

「私学の未来―変革期に対応する私学教育(私学力)―」

§1 私学力を構成する要素

①≪私学の系譜≫→明治以降の日本の近代(モダニズム)の矛盾をどう受けとめるか
②≪8つのI×5つのM×3つのT≫→知の塊(全人教育)・世界標準を超える知
③クオリティ・コミュニケーション→知の塊を形成する教師と生徒のことば力
④クオリティ・リーダーシップ→直面する多様な壁に対応できる柔軟なリーダーシップ
⑤ステークホルダーへの共感→学校選択指標におけるポジショニング

§2 ≪私学の系譜≫を考える

●「近代化の矛盾=問題=圧力→学歴・経済・知・人間性の格差」をどのようにとらえるかの系譜

参照)→別表 資料「私学の系譜を考える補助線として」

§3 ≪8つのI×5つのM×3つのT≫

●8つのI ハワード・ガードナーの「マルチ・インテリジェンス(MI)」による
言語能力・論理的数学的能力・空間能力・身体運動能力・美学的能力・人間関係形成能力・自己省察能力・自然との共生能力

●5つのM ハワード・ガードナーの「5つのマインド」による

  熟練・統合・創造・尊重・倫理

●3つのT リチャード・フロリダの「クリエイティブ・クラス」による

  才能(Talent)・技術(Technology)・寛容(Tolerance)
●≪8つのI≫ ≪5つのM≫ ≪3つのT≫のつながりを阻止するもの

[1] 学習指導要領はOECD/PISAの世界標準のモノサシで測ると「レベル3」。
それは、全国学力テストにより明らか。

レベル1)・・・ 情報の確認
レベル2)・・・ 情報の整理
レベル3)・・・ 情報の分類・照合
レベル4)・・・ 論理思考
レベル5)・・・ 批判的思考
レベル6)・・・ 創造的思考

①学習指導要領→レベル3まで

②PISA読解リテラシー→レベル5まで

③中学入試の国語→レベル6まで

[2] 「保守的・偏向的・リスク隠蔽的・無気力的」雰囲気を形成する組織。

●≪8つのI≫ ≪5つのM≫ ≪3つのT≫をつなぐもの

世界標準のレベル5を超えレベル6までのすべてのレベルを自在に活用できる
クオリティ・コミュニケーションとクオリティ・リーダーシップ

§4 クオリティ・コミュニケーション

●「4つのコミュニケーション行為の型」の諸関係がクオリティを生み出す。

CC・・・創造型コミュニケーション行為
IC・・・双方向型コミュニケーション行為
TC・・・寛容型コミュニケーション行為
OC・・・抑圧型コミュニケーション行為

●クオリティ・コミュニケーションの関係図例

Cito

§5 クオリティ・リーダーシップ

●「7つのリーダーシップ」の諸関係がクオリティを生み出す。
ハーバード・ビジネス・レビュー版(2005年9月号)のルークとトーバートによる
7つのリーダー・タイプの応用。

(1)他者利用型( 5%)・・・どんな手を使ってでも勝とうとする。自己中心的で、人を操りたがる。「力こそ正義」。緊急事態や営業に役に立つ。
(2)利害調整型(12%)・・・不可避の衝突を避けようとする。集団の規範に従う。現状打破には消極的。オフィス内の「接着剤」として機能し、集団の一体感を高める。
(3)専門家型(38%) ・・・論理性と専門知識を第一義に置く。理性的に効率を求める。個人としての貢献度は高い。
(4)目標達成型(30%)・・・戦略目標を実現する。複数のチームをまとめて目標を達成させる。マネージャーとしての責任と市場からの要求をバランスさせる。行動志向であり、また目標志向である。管理職に向いている。
(5)個人尊重型(10%)・・・人間と組織のさまざまな行動論理を統合させることができる。戦略計画と実績の差を埋めるために独自の仕組みを考え出す。起業やコンサルティングに向いている。
(6)戦略家型(4%) ・・・組織や個人の変革を生み出せる。短期的にも長期的にも、仲間との間で互いに問いかけや警告。弱点について指摘しあう。変革リーダーに適任。
(7)改革者型(1%) ・・・社会の変革を生み出せる。物質的な変革、精神的な変革、社会的な変革を総合的に進める。世の中の改革を指導できる。

§6 学校選択指標におけるポジショニング

Photo

●「12歳のための12の学校選択指標」

(1) 自己実現プログラムの自覚的実行力

(2) 教師の創造的コミュニケーション能力

(3) 時代の変化への対応力

(4) 本格的論文編集指導力

(5) プログレッシブな授業構築力

(6) 総合学習と他の教育活動の有機的結合力

(7) 現地校で耐えられる英語教育力

(8) あらゆる教育活動でのIT活用力

(9) 他教科に刺激を与える芸術教育力

(10) キャリア・デザインとしての進路指導力

(11) 生徒の潜在能力を引き出す教育空間デザイン力

(12) 説明会の表現力(教育理念の具体的展開のプレゼン)

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