09年中学入試に向けて[10]中村中の新体制②
☆「09年中学入試に向けて[02] 中村中の新体制」のつづきです。6月14日(土)中村中学校で、第2回学校説明会が開催されました。今年の同校の広報活動のコンセプトは、生徒たち、教職員の「日常」を共有してもらい、在校生や教師1人ひとりを通して、教育の質の評判を広めようということだと思います。評判づくりというマーケティングの基本ですが、実行が難しいコンセプトですね。
☆なぜなら、説明会を生徒といっしょに作らないとそれはうまく表現できないからです。しかしながら、中村中はこの新たな試みに挑戦しました。いままでも説明会で「代表生徒」は活躍していたのですが、今回は更にバージョンアップ。
☆「代表生徒」の希望者は多数だったので、今回はそのうちの40名の出番となったということです。説明会の司会はもちろん生徒(高校生)だったのですが、40名全員が活躍するのは、全体会終了後の第二部から。校内の案内は全て生徒だけで実施されました。事前に生徒の皆さんは議論をして、「7F空中図書館と職員室と地下のホールは絶対に案内するが、あとは自分の教室と一人一人のお気に入りの場所を紹介する」というルールを決めたそうです。
☆外からは見えないこういう舞台裏に、個と普遍のバランス(まったく≪私学の系譜≫ですね)があることがわかりますね。ともかく、参加者のアンケートによると吹奏楽部の部室まで案内していたようです。芸術が中村の特徴であることを理解しているからこそ、そういうコーディネートをしたのでしょう。
☆見学終了後は全体会会場で入学相談会が行われました。学校説明会ブースで埋め尽くされた様子は壮観でした。何せ参加者が450名で、体育館が満席になっていましたから、教職員ブース15名(教科・学年・入試相談・事務・カウンセラー・新制服紹介)・生徒ブース30名(1年~5年で30人)・スーパーサブ生徒10名という体制で臨んだわけです。
☆生徒たちは自分の言葉で学校について一生懸命語っていました。梅沢教頭は、「質問に対してのマニュアルなどあるはずもなく、まさに実力が問われるわけですが、この時の生徒たちがなんと活き活きしていたことか。遠慮して質問に来られない受験生を見つけると生徒から出向いていって話しかける配慮にも感心。これは説明会ではあるけれど生徒たちにとっての学びの場でもありました。」と語ってくれました。
☆これは本当にすごいですね。説明会というと、きちんとシナリオ通り進むのが一般的ですが、中村中の場合は違うのですね。想定以上に参加者が訪れた時には、臨機応変に対応しなければなりません。たんに手続き的対応ではなく、説明の中身や表現を参加者によって変幻自在に変えなければ、うまくいかないのですね。
☆どんな未知の事態と遭遇しようと、それを受け入れ、対応できる知の学びの場だったわけです。世界のベスト教育都市の1つ、レッジョ・エミリアの教育プログラムに、エマージェント・プログラムというのがありますが、中村中学でもそれが行われているということが、今回の説明会の新たな試みを通して了解できました。
☆梅沢教頭は、「今までは、先生達が一致団結している学校ですねといわれていましたが、今回は生徒と先生の一体感がすごい学校ですね!次回もこんな説明会をやってください!と、来校の皆様に言っていただけました。この言葉に生徒たちは目をキラキラさせて満身の笑顔で応えていました。」と。自分の学校の生徒を誇りに思える教師の存在こそ、その学校の教育の質の高さを物語っています。
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