09年中学入試に向けて[12]白梅学園清修の広報戦略
☆白梅学園清修の鈴木先生からメールをいただきました。昨日(2008年6月27日)実施した「授業見学会」の様子についての情報でした。ということは柴田副校長もまた、ブログ「清修だより ~緑浄春深~」に書き込んいるだろうと思い、開いてみるとやはりそうでした。
☆だがしかしです。鈴木先生の情報と柴田副校長の発信では全く内容が違うんですね。事実の齟齬ということではないのです。お二人の切り口が違うということです。複眼的広報活動を行っているんですね。
☆鈴木先生は純粋に白梅学園清修に訪問された在校生の保護者や受験生の保護者と清修の教員との豊かな関わりについて語っています。特に授業についてフォーカスしています。
平日の午前中にも関わらず、本校在校生の保護者の方約80名、受験希望の保護者の方約50名にご来校いただきました。とてもありがたいことです。また、何名かの受験希望の保護者の方ともお話をさせていただきました。校舎や教室の空間デザインの評価もいただきましたが、それ以上にうれしかったことは授業内容と授業中の教師と生徒との関わりを評価していただいたことです。
☆意匠より精神を大事にしてもらえたことに対する感謝の気持ちが述べられていますね。保護者に対する感謝はもちろんですが、仲間に対する感謝の気持ちも込められています。ところが、柴田副校長は、「授業見学会」に訪れた立命館の先生方の鋭い洞察力についてオープンにしているんですね。
保護者の方のほかにも、京都の学校法人立命館から教育研究研修センター・センター長と一貫教育部副部長のお二人もわざわざご来校になった。・・・お二人はそれぞれ校長・副校長経験者ということもあり、研究研修に対する意気込みは高く、お褒めの言葉などはまったくない歯に衣着せぬ、根性が入ったやり取りを久しぶりに交わさせてもらった。電子ボードの使い方について、私どもの至らない点もズバズバ指摘された。私の方からもいろいろな質問を投げかけたが、明快にお答えいただいたのでとても勉強になった。
☆ヤルナー^^)v。なんていう抱腹絶倒なレトリックなのだろう。これは何を意味するのか。白梅学園清修はまだまだいたらないところがいっぱいあるんだという卑屈な態度なんかでは全くない。もちろんアイロニーなんかでも全くない。
☆教育において重要なポイントは、「熟練」「統合」「創造」「尊敬」「倫理」だとハーバード大学のハワード・ガードナー教授は言っている。立命館の先生方の指摘は、「熟練」「統合」の話題が主だったのだろう。そりゃぁ~、できて3年目の新しい学校ですから、「熟練」「統合」の部分はいくらでも指摘できるでしょうね。
☆でも、大事なコトは、「創造」「尊敬」「倫理」の精神です。これらのない「熟練」や「統合」は軍隊組織と一緒ですからね。さて、この大事な3つの精神があると見破ったのは、実はある業者の方なのだと、「追記」の部分でそっと書き添えています。ヤルナー^^)v。ステークホルダー対策もバッチリですね!
☆ともあれ、学校づくりの優先順位が他校と違うよ♪ということを表現しているんですね。おそらく立命館の先生方は、自信もあるし、自分たちの栄光の記憶も新しいし、なおかつマスコミでも大々的に取り上げられているので、相当意識しないと、自分たちのコミュニケーションがステータス・ゲームになっていることに気づかないというリスクの可能性があります。
☆従来多くの場合は、こういうゲームの覇者が結局世の中で得をするのですから、それはそれで全くよいのですが、今の30代のクリエイティブ・クラスはフラットなコミュニケーションを望みますね。ポリティカルなゲームではなく、あくまでタレント、テクノロジー、リスペクトを好み、抑圧的コミュニケーションは好まないのです。
☆鈴木先生のメールの中身やふだんのコミュニケーションは本当に柔らかいんですね。白梅学園清修の他の先生方もそういう雰囲気です。ここに人気の秘密があることは、新人類世代以降の若いジェネレーションには見えるんですね。
☆ただこの繊細な雰囲気を持続可能にするためにはかなり強力なマキャベリズムを背景とするリーダーが必要です。それが柴田副校長です。さすがは富岡選手の育ての親ですね。ラグビーというのはやはり組織行動学的発想が必要なのだと思いますが、この学問を実践しているのが柴田副校長と清修の先生方です。
☆それにしても、柴田副校長のブログは、スタンフォード大学のロバート・I・サットン教授の“The No Asshole Rule”に匹敵するほどオモロ!ですね。
P.S.
今回は少し下品な表現や顔文字も入っています。気分を悪くされた方は、ぜひデュシャンの「泉」という作品や村上隆さんの作品をどこかでご覧ください。m(_ _)m
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