不安を生みだす抑圧系[09]経営環境の悪化?
☆日経新聞(2008年5月10日)の「働くニホン」取材班の記事では、実に興味深いデータが掲載されています。
「労働人口の減少、景気減速や資源高による経営環境の悪化――。二つの難題に直面する日本。
☆少子高齢化や化石燃料の問題を難題ととらえています。ここに抑圧が隠されていますね。大量生産、大量消費、大量移動のシステム維持のために、資源奪取、労働集約をしてきたわけですが、これが崩れる、なんとかしたいという抑圧感が、人材の不安を煽ります。
☆だから、新入社員の自己評価は、一方で「安定志向が強い」となり、片方で「組織とつながっていたい」とは思わない方に針がふれているのです。
☆安定したい、でも鬱屈感のある組織にはいたたくないよというアンビバレンツな心理状態になるわけです。大量生産、大量消費、大量移動、資源奪取、労働集約というシステムは、勝ち組負け組という優勝劣敗という格差を生みだします。
☆しかも実に辛いのは、たとえば、ニューヨークのアナリストの次のような評価です。「日本の為替相場について、為替の変動は、日本国内の市場に理由はなく、アメリカの雇用市場に左右されている」と。
☆アメリカの大量生産、大量消費、大量移動は、資源蕩尽、資金集約によるのだが、それができるのは、日本の経済社会から資金を吸い上げられるからであるということを言っているのです。
☆日本の人材は、このような経済システムに従属せざるを得ない状況下にあるんですね。この中で勝ち組になれば、抑圧システムの中で少しは楽な有利な地位につけるかもしれないし、このラットレースの中から抜けだすことができるかもしれないのですが、負け組は、このラットレースの中で走り続けなければならないのです。バタリと倒れるまで・・・。
☆このラットレースというシステム機械から抜けられる新しいシステムづくりはいかにして可能なのでしょうか。少子化、化石燃料の弊害と高騰は、難題ではなく、この新しいシステムづくりの重要なトリガーなのではないでしょうか。
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