世界を変える学校[24]白梅学園清修の2ndステージ①
☆白梅学園清修の2ndステージがいよいよ始まります。しばらく副校長の柴田先生のブログが書き込まれていないなぁと思っていたら、なんと来年1期生が高1になったときに実施するEUプログラムのための欧州視察に行っていたのですね。
☆清修の6年間のプラン(図はNetty Landから)を見ると、中学時代は≪序≫で、高1が≪破≫、高2・高3が≪急≫という成長ステージになっています。EUプログラムはそのトリガーになる大事なプログラムなのでしょう。≪破≫という2ndステージを形成する仕掛けに相当するのでしょう。
☆それにしても「欧州視察ウイーン編①」から始まる柴田先生のブログは画期的な内容です。というのは、日本の中等教育における海外教育プログラムは、そのほとんどが英語圏の英米・オセアニアエリアかアジアです。ヨーロッパの大陸圏のプログラムは希少価値があるのです。おそらく今後の新しい海外教育プログラムの先駆けになるでしょう。
☆今までにないプログラムというのは、ヨーロッパと言うより、EUとUNを結ぶプログラムであるという点がポイントです。もう一つは、≪私学の系譜≫の原点である明治維新のときにヨーロッパの文化に大きな影響を与えた日本の文化を発見しに行くという点ですね。
☆明治政府は欧米化のために私立学校が大事にしていた日本の文化の先見性を捨てたのですが、その遺伝子が実はEUに存在しているのです。私は、明治政府の近代化を、「官僚近代化路線」と呼び、これに対し私立学校の目指していた近代化を「もう一つの近代化路線」と呼んでいます。
☆「官僚近代化路線」はその出発点から「優勝劣敗」という格差を生むシステムを目指していました。これは大量生産・大量消費・大量移動という20世紀型生産社会を生み出し、その結果、現在の混乱混迷を生み出しているのは周知の事実ですね。日本においては、少子化・化石燃料の高騰・環境破壊をもたらしています。
☆これに対し私学の「もう一つの近代化路線」は質の生産・質の消費・質のコミュニケーションを主張し・教育で実践してきました。白梅学園清修は、まさにその原点に立ち戻りつつ、「官僚近代化路線」の生みだした問題を乗り越えていく知を清修の生徒が身につけられる環境を創ろうというのでしょう。しばらくの間、清修のEUプログラムの意義についてつれづれなるままに思い巡らしてみたいと思います。
*写真は、ストラスブールのEU議会。国際教育研究家の岡部憲治さんとEU視察に行った時のもので、ナビゲータのサチコさんと。サチコさんはアルザスの芸術家や思想家とのネットワークをつなぐキーパーソンです。ご主人は国際的に有名な聖書学者アルベール・アリさん。お二人は青春時代から、平和のための精神的闘士として活躍しています。今回のアルザスでの柴田先生のナビゲータもサチコさんだったと聞き及んでいます。
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