世界を変える学校[28]共立女子の知③
☆前回の「世界を変える学校[27]共立女子の知② 」で、PTA中学広報誌「沈丁花」の巻頭の詩は、中1の保護者の作品ではないかと書いたところ、渡辺教頭先生から、「あの『旅立ち』の詩は、中1の生徒の作品なんですよ」とご指摘を受けました。
☆なおさら、共立女子の生徒像がいかに真っ直ぐな性格を持っているのか、確信しましたが、本当に実存的な詩ですね。もっとも、この1年の生徒Iさんの性格であって、ほかの生徒さんたちはどうなのだろうと思われる方もいるかもしれませんね。たしかに1人ひとり個性があって、みな違う特徴をもっているわけですが、大きな価値観を共有しているというのは、生徒のさまざまな作品から推察できます。中学の文集「ともだち」を読めばそれはわかるし、生徒の美術作品集「ぱれっと」を見てもわかります。
☆国語や美術は、作品集として見える化しやすいのですが、他教科でも教科知識だけではなく、個人的な価値や個別知を普遍的な価値や一般知に転換するプログラムが仕掛けられています。
☆たとえば、音楽の中3の目標は、こうです。
「音楽に対する総合的な理解を深め、表現の技能を伸ばし、創造的な表現の能力を高める。」
☆その成果は「合唱コンクール」や「ウイーン少年合唱団とのジョイント公演」などに表われます。この活動は、個人の創造力を育成するだけではなく、チームプレイですから共感リーダーシップ(Resonant Leadership)も養成され、価値観や大きな物語づくりが行われるわけですから、どうもポストモダン的データベース人間とは違いますね。
☆もはや他者との関係性は希薄でも、サイバースペース上のデータを検索しながら、組み替えて相対的な価値を作りだして、その趣味的価値が一致する小さな関係の中だけで生きていく(でも孤独をかかえる危うさもある)と言われているポストモダンな人間像とは全く違う人材育成の環境が共立女子にはあるのですね。ポストモダンの社会の壁を乗り越えらる人材が共立女子からたくさん輩出されるという期待がかかります。
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