世界を変える学校[30]共立女子の知⑤
☆共立女子のPTA中学広報誌の「沈丁花(2008.3.15)」の座談会記事はたいへんおもしろいので、前回に続き、もう少し見てみましょう。中学3年生の卒業を迎えた教師に生徒がインタビューしている記事のことですね。
☆「自分の中学生時代と比べて、今の中学生はどうお感じになりますか?」という質問に対し、こんな回答がありました。幾つか紹介します。
「世相に反映していると思います。」
「私は、色々なものが与えられ、恵まれているなと思います。」
「同感。恵まれすぎていてチャレンジ精神があまりないかも。」
「私は、変わらないなあ、と。」
「インターネットの普及の影響も受けて、広く浅い付き合いが多くて、深い付き合いが苦手のような気がする。」
「情報処理能力不足なんでしょうね。」
☆さりげなく書かれていますが、生徒に与える時代の影響と共立女子の影響の葛藤をどう認識するのか話されていますね。物質的豊かさによって、工夫がなくなる。それを促進しているのはネット社会。こういう時代認識そのものは間違っていない。しかし、それをどのように捉え返すのか。そこのところがおもしろいですね。
☆時代の変化を共立女子の生徒も受けている受けていないという互いに違う立ち位置があるというのがまずはおもしろいのですが、そこの間をスーッと抜けていく「情報処理能力」の問題でしょうという考え方はさらにおもしろいですね。
☆ネット社会がない時代の情報処理能力とネット社会が到来している今の情報処理能力ではその求められている容量が違うわけだから、そこを考えた上で見返してみると、変わってないともいえるし、変わっているともいえるかもしれない。まずは批判者の立ち位置を変えてみませんかというアイデアがスーッと出てくるのが、共立女子らしいですね。
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