世界を変える学校[32]共立女子の知⑥
☆「世界を変える学校[30]共立女子の知⑤」のつづきです。共立女子のPTA中学広報誌の「沈丁花(2008.3.15)」から見える共立女子のハビトゥス(文化資本の再生産メカニズム)。生徒による次の質問とその回答は重要です。ハビトゥスそのものを直接問うものであり、直接教員が考えて答えているからです。
☆その質問とは「『誠実』とは校訓の1つですが、先生の考える『誠実さ』とは何ですか?」
「博愛と勇気」
「自分を悔い改める気持ちがあることと、他者への深い感情移入ができること。」
「ごまかさず、自分の過ちを素直に認め、謝れること。」
「『ありがとう』『ごめんなさい』が心から自然に言えること」
「嘘や見栄やズルとは無縁であること、真心で自然体のまま、接することです。」
「他人の信頼を裏切ったり、陥れたりしないことが誠実。」
「自分も他人も偽らないことですね。」
・・・
「自分の大切な人を守る強さを身につけること。」
☆共立女子における誠実さは、どちらかというと信頼とか慈愛とかの意味に近いですね。他者に対する奉仕の姿勢に近いものがあります。これはただモバイルメールでやりとりを永遠続けることが絆をつなぐことであると思いがちなジェネレーションZと言われる青少年の在り方とは違う価値観です。
☆ジェネレーションZと称される15歳から22歳のどれくらいが、表面的な絆で結ばれている関係を維持することに明け暮れているのかわかりませんが、少なくとも共立女子のキーワードである「ともだち」や「友愛」が意味する関係性には、尊敬の精神と他者や社会に役立つ役割としての倫理の精神に裏付けられているといえます。
☆この尊敬の精神と倫理の精神が生まれ育つ良き教育環境の歴史こそ共立女子のハビトゥスの歴史であり、共立女子が≪私学の系譜≫に位置づけられる証しです。
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