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私学の経済ポジショニング[11]私学経営研修会に参加して<05>

☆「私学の経済ポジショニング[10]私学経営研修会に参加して<04>」のつづき。§3 ≪8つのI×5つのM×3つのT≫では、以下の項目について少し触れた。ハワード・ガードナー教授とリチャード・フロリダ教授の理論がなぜポイントなのかについて確認してみたい。

●8つのI ハワード・ガードナーの「マルチ・インテリジェンス(MI)」による
言語能力・論理的数学的能力・空間能力・身体運動能力・美学的能力・人間関係形成能力・自己省察能力・自然との共生能力

●5つのM ハワード・ガードナーの「5つのマインド」による

  熟練・統合・創造・尊重・倫理

●3つのT リチャード・フロリダの「クリエイティブ・クラス」による

  才能(Talent)・技術(Technology)・寛容(Tolerance)

☆まず、ハワード・ガードナー教授であるが、教授のMI理論はアメリカでも日本でも公立の学校や塾で活用されている。しかし、その活用の仕方は、特に日本においては、もしかしたら、魂のない方法論だけが独り歩きしている可能性がある。

☆しかし、教授は、実はMIも5つのマインド(以下5M)も方法論を明確には表明していない。あくまでビジョンあるいはコンセプトなのである。しかも教授の中で、MIと5Mはつながっているのである。ところがMIの方法論だけが独り歩きしているというのが現状なのである。しかもMIと5Mは分断されたまま・・・。

☆しかし、これは公立学校の制度的限界である。学びの理論にビジョンやコンセプトやまして理念は結び付けられないのだ。しかも、これはどんなに高邁な教師がいても絶対に結び付けられないように禁則処理されているのである。これが似非PISA型全国学力テストで露呈した。このことはまた後で語ることにするが、ともあれ私立学校は、これらの制限がかけられていない。そこがすごい。この制度設計をだれがしたのか。戦後の教育基本法をデザインした先人がたである。

☆ここに≪私学の系譜≫の重要性がでてくるし、MIと5Mをビジョンとして結び付けられる見識を私学は持っていることになる。≪私学の系譜≫の見識はハワード・ガードナー教授の属するハーバード大学に通じると考えてもよいのである。

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