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私学の経済ポジショニング[13] 東京私立男子中学校フェア研修会に参加して[02]

私学の経済ポジショニング[12] 東京私立男子中学校フェア研修会に参加して[01]のつづき。前回述べたように、テーマは「私立男子中高一貫校は、何を変えるのか?」にした。うまく話せたかどうかはわからないが、結論としては東浩紀氏の警鐘を鳴らしている「動物化したポストモダン」な人間を生み出している≪官学の系譜≫に対し、≪私学の系譜≫に立ち戻り、官僚近代化路線を、明治のときにすでに私学人が理想としていたもう一つの近代化路線社会に軌道修正をするような教育の実践こそ、男子校の使命ではないかと語ったつもりである。

☆会終了後、日本学園中学校の谷口先生から「私学人の理想あるいは生徒が拠って立つ背景や基準は、具体的には何か思い描いていますか」と問いかけられた。「それは各学校によってそれぞれ建学の精神があって、一つではないので、あえてそこは触れなかったんです」と答えたが、日本学園こそ横山大観、永井荷風、岩波茂雄といった官僚近代化路線とは違う、大きな知性を創造したOBがいる。

☆むしろそれについてお聞きするべきだったと、相変わらず浅薄で狭隘な自分に落ち込まざるを得ない。スピーチをするといつも枕が長くなって、用意していたレジュメの項目について話しきれない。今回も§1まで。本ブログで補足してみたいが、いつものごとく中途半端になるかもしれない。ご容赦を。まずはレジュメの項目を掲載。

§0)時代認識断片

○私学の危機(98年・99年首都圏受験率13%下回る)→08年20%超える
○技術者に求められるものの変化 byものづくり白書(08)経済産業省
○自動車保有率79,236,095台(06年)から79,080,762台(07年)by国土交通省
○女性の社会進出遅速・男性の圧力依然強い by「19年度男女共同参画白書」内閣府
○職場のいじめに関する相談前年対比で約6000件(27%)増(07)by厚生労働省
○08年大学入試の国公立大学前期日程工学部志願状況昨対比3.8%増(河合塾調べ)
○「課題先進国」日本~キャッチアップからフロントランナーへ 小宮山宏(中央公論新社08)
○「動物化するポストモダン~オタクから見た日本社会」 東浩紀(講談社現代新書01)
○「不可能性の時代」大澤真幸(岩波新書08)
○塾・予備校、教育事業企業の再編&統合の動き

§1)男子校の生徒の問題性

[問題提起]男子校の生徒の実態とは真逆の現代社会
「来るべき社会では、各人がばらばらの考えをもち、自分のまわりの局所的な利害にしか関心を向けていなくても、情報の集積がネットワークを介して全体の秩序を生み出していく。そこには抑圧も強制もない。人々は、高度な情報環境の支援を受けてたがいに緊密に協力している。あるいはさせられているが、そのことには気がついていない。それは確かにユートピアのように響く。しかし、筆者は、その状態こそが、巧みな「管理された環境」だと考える。そこで賞揚されている創発的な秩序の原理は、民主主義の蓄積よりも、むしろ統計学やゲーム理論にもとづいている。」(東浩紀「中央公論」2003年10月号)

○女子校の生徒の問題性との差異
○新しいリーダーの領域 クリエイティブ・クラス(3T)

§2) 問題性の解決のために

○ 男子校は≪私学の系譜≫に立ち戻る→改革型リーダーを輩出(女子校とは違う)
○ クオリティ・コミュニケーション(QC)に基づく授業
○ QCに基づく授業→入試問題の変化→中学受験マーケットの質の担保

§3) 社会の変化のための「教育と経営の関係」そして人間像

○教育の倫理と論理→新しい精神の原型
○経営の倫理と論理→新しい市場の原型
○5つのM ハワード・ガードナーの「5つのマインド」による
  ≪熟練・統合・創造・尊重・倫理≫
→男子校の生徒は、世界の子どもたちのロールモデル。

○広報の倫理と論理→新しい表現の原型

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